「香港ときどき公立病院(4)」食べる?食べない?恐るべき(笑)食事事情

さあ、私の入院体験記もついに佳境に! おそらく会社で健康保険に入っていたら、入院する場合も、それを使って私立病院を利用することがほとんどかと思います。たまたま今回、病状があまりに特殊だったので、公立病院の中でも特に大規模なプリンスオブウェールズ病院を体験することになりました。




医療レベルの高さにはひたすら感心し、それを駆使して格安でしっかり治療してもらえる公立病院のメリットは数え切れないものの、いろいろと乗り越えないとならないこともあります。そして最大の難関なのではないかというのが、食べ物問題でした。

これが噂の病院粥・・・・・・

さてさて。食事です!! 入院することが決まったときから、香港の友人には、とにかく「食事が本当にマズいから、家族に差し入れしてもらうといいよ」など、アドバイスをたっぷりいただいていました。香港人も、家族やお手伝いさんに毎日広東スープや食事を持って来てもらうものなのだとか。

そして実際に体験すると、噂に違わず・・・・・強烈でした。

これがその噂の病院粥。私はお粥大好きで、薄味好みだし、日頃は白粥だって大好きなのです。でもこれは、普通のお粥から魂を抜き取ったような味(笑)というか、豚肉を使っているらしいのですが、普通に味わえる味覚も食感もなく、まるでヤマトのりをお湯で溶いたんじゃないかというような・・・・・・形容しがたい一品なのです。とにかく街中のお粥屋さんで食べるお粥とは、まったく異なるものです。

とはいえ、検査入院の日に初めて食べたときは、まだ珍しさが手伝って、何とか完食できました。これが問題になってきたのは手術の後。

大手術の後って、自分では体をまったく動かせず、とにかく30本ぐらい体にチューブをつながれていて、基本的に何から何までチューブ頼みの状態で、徐々に体力を回復していくわけです。自分が手術するまで知らなかったこととして、全身麻酔をすると肺の機能が衰えていろいろと悪影響があり、重篤な合併症になる恐れがあるそうで、肺活量をはかるチューブと、酸素補給のチューブをずっとつながれていました。

そして食事の代わりに点滴で栄養補給をして、尿もチューブから。これはこれで、余計な心配はしないで、体を休めることに集中できます。

もちろん、変にこれに慣れてしまっては寝たきりのままですから、少しずつ、体が通常に戻るように促されます。普通の食事を取れるようになると回復が一気に早まると言われたもの、「点滴はつけたままだけど、ライスウォーター(米のとぎ汁のようなもの)食べてみる?」と言われ、一口二口飲んでみていました。その後はお粥になったものの、ひたすら同じお粥が出てくるので、もうすでに匂いを嗅ぐだけで辛くなってきました。

ある朝は、家から持ってきてもらった、ノリたまのふりかけをどっさりかけて、何とか掻き込んで完食。すると明らかに体力が少し戻った実感がありました。

じゃあ、もう一回頑張ろうと夜も同じことをしようとしたけど、もうノリたまのマジックは効かず、1/3杯ぐらいがやっと。

これじゃだめだ、と横を見ると、香港人のオバチャンの患者さんが、もの凄い勢いで同じ味のないお粥を掻き込んでいる! すごい生命力。長寿ナンバーワンの底力を感じさせられた瞬間でした。

「クスクス? フムス?」でドクター目が点事件

そうこうしているうちに血糖値がやたらに下がり始めて体調が悪化。酸素補給もいらなくなって、トイレにも自分で歩いて行けるようになった今、ドクターから「とにかく後は食事。そろそろ食事をちゃんと取り始めないと、回復が遅れるわよ。食欲がないの?」と諭されました。




「いえ、食欲はあるんです。でも・・・・・・」(不味くて食べられないとはちょっと言いづらいな、と思っていたら)

「もしかして、ここの食事が不味すぎて食べられないの?」

(うんうん)と激しく頷く私。

「そうよね、分かるわー(ってドクター、あっさり認める、笑、なら何とかして!というのは置いといて)。家族に家から食べ物を持ってきてもらってもいいのよ」

希望の光が灯って来て、一応聞きました。

「あの、家から持ってきてもらうのに、何かメニューに制約はありますか?」

「ないわよ」

「え、ほんとに? 何でもいいんですか」

「何でも好きなもの、あなたが食べられるものを持ってきてもらいなさい」とドクターとの対話を終了。

やったー!!何でもいいんだー!お粥攻撃で日頃は大好物のお米の匂いが辛くなってしまったから、米じゃない穀物が食べたい! そうだ、家でよく食べるクスクスはどうだろう?

我が家で定番のメニューに、クスクスに、串焼きのチキンと野菜、チェリートマトにフムスとオリーブオイルというのがありまして。これなら夫が得意だから用意して持ってきてもらえる♪ とウキウキ、メッセージを送りました。

そしてその日の夜! 夫と息子達と一緒に、久しぶりに食べる美味しい食べ物! 思いっきり、がっついてしまったのです。

そうしたら、夜、寝る頃にちょっと気持ち悪くなるではないですか(笑)。今思えば、手術からまだ3日後ぐらいで、手術日からずっと断食していたのに、突然そんなもの食べたら良くないに決まっていますが、その時は全然頭が回らず「食べさえすれば元気が出ると思ったのに、気分が悪くなってしまった」とションボリしてました。

翌朝、ドクターが来て「気分はどう? 昨日はちゃんと食べた?」

私「食べたんですけど・・・・・・なんだか気分が悪くなってしまって(しゅーん)」

ドクター「あら? 昨日は何を食べたの?」

私「クスクスでしょ(ドクター「ええ?」)、フムスでしょ(ドクター「はあ??」、オリーブオイルにトマトに(ドクター、完全に目が点)・・・・・・」

ドクター「な、な、なに???」

私「だって何でも好きなものでいいって言うから」

ドクター「それ、お粥じゃなくて普通のご飯でいい、ぐらいの意味だったんだけど」

「えええー? そうだったんだ!」と心底びっくり。我ながら、我が家で普通のメニューがいかに一般的ではないかに、やっと気が付いたのです。

そしてドクターも、どうも私の胃袋は尋常でなく、ひと味違う食生活を送っていて、実は食欲が旺盛であることに気が付いてくれました。

「お粥じゃなくて普通食にする? 卵サンドと牛乳とか食べる?」

うんうんうんうんうん、と激しく頷く私。

しかし翌日、あんなに何もかも情報の伝達が素晴らしいのに、食事だけは例外なんです。なぜか卵サンドじゃなくてお粥が届いて、絶望のあまり涙目に(笑)。それでも最初はお粥を食べようとしたものの、すでに限界に達していて、もう匂いだけでうっと来る。これはやっぱり主張しなくっちゃ、と看護婦さんに、「昨日、先生が卵サンド、くれるって言ってたんですけどー!!」と訴えました。

ええー?変ねえ、お粥って書いてあるわよ、でもまあ、見てくるわー、と探しに行ってくれて、10分後くらいに

「卵サンドあったわー!!!」

どこかに忘れ去られていた、小さなサンドイッチを持ってきてくれました。

たぶん今食べたら何てことも無い、そっけない卵サンドなのですが、こんな美味しいサンドイッチ食べたことがない、号泣状態でした。どれだけハードルが低くなっていたんでしょうか? 長いこと水しか飲んでいなかったら、生まれて初めて水の味に飽きて、脱脂粉乳みたいな牛乳がまた素晴らしく美味しく感じました!

だんだん看護婦さんたちも、私は結構胃が強いらしいと分かってくれて、「お粥じゃなくてマカロニにする?」

「するするするする!!!」

それでやって来たのがこれ! 退院した日の朝ご飯だったかな。

正直、今まで香港の朝ご飯で、お粥は好きだけどマカロニって~???って思っていたのに、私の中で、お粥よりマカロニの地位が一気に爆上げした瞬間でした(笑)。ガツガツ、食べる、食べる・・・・・・。

そしておやつについていたマリービスケット・・・・・・。こんなに美味しいものだったっけ?(笑)とにかくお粥以外の味に飢えていたので、たまらなく美味しく感じるんですよー。

その後、すっかりマリービスケット中毒になってしまい、家に帰ってから、ココアとマリービスケットというコンビがお気に入りに♪




居心地を良くし過ぎない英国流の病院食?

今回の入院体験で、特にこの、美味しくしようという気が全くない病院食の感じに既視感がありました。そう、私は3人の子どもを英国で出産していまして、その時には安産だったこともあり、毎回出産当日1泊しては翌日に退院していました。

もちろん産後の肥立ちが良いというのに加えて、英国ではとにかく早く退院させて、家に帰ったら自宅に助産婦さんが毎日来ていろいろとケアしたり、アドバイスしてくれるという仕組みがあるのも前提ではあります。

その際に、「さあ、早く帰りなさい」と促されることはあまりなく、どちらかというと「こんななら、早く家に帰りたい」と強烈に思わされるんです。

産後からひとときたりとも赤ちゃんが手元から離れない=誰も見ていてくれないので、シャワーを浴びるのでさえ、「浴びている間に赤ちゃんを誰かに連れ去られでもしたらどうしよう」と気が気でなかったり、というのもありました。

しかし一番のモチベーションは、何だか訳の分からないほど不味くて栄養のかけらもなさそうな食事でした。これがまた、同じ病院の普通の食堂では、そこそこ美味しいものがあるんです。だから、美味しく作る能力がないわけじゃない。わざと不味くしているんです。

お金をたっぷり払う私立病院の患者ならまだしも、英国では出産に関して完全無料(日頃の検診まですべて無料でした)、香港の公立病院も、これだけのケアをしてもらって、手術から薬から全部ひっくるめて、私が払った金額は2万円未満!!!

「最低限必要な入院期間はきっちり診るけど、そこそこ良くなったら家に帰ってベッドを空けてね、もっと治療が必要な人を入れたいから」

そういうメッセージをわざわざ口にしなくても、患者が自然にそうしたいと思わせる最大の手段が、不味い食事なのではないでしょうか!! ちなみに今回入院した病院の食堂は普通ですから、そこで出す程度の食事を作ることはやっぱり本来可能なわけです。ドクターも病院食の不味さは分かっているけど、特に問題視していませんし。

確かに私自身も「あー家に帰りたい!」という強烈な気持ちがあったからこそ、リハビリも頑張れたわけですし。

そんな公立病院の医療の仕組みは、英国領時代に確立されたためか、英国ととても共通していると感じました(ついでに言えば、香港の方が、技術が高くてしっかりしています)。

食事がやたら美味しい日本の病院の写真など見ると、目眩がしてきます。あれなら産後1週間とか入院していられるだろうなあ。

なぜか英国での出産にまで思いを馳せつつ(笑)、そろそろ「香港ときどき公立病院」も最終回でしょうか。気が向いたらもっと書きますね♪




小野寺光子さんと一緒にRanee Kさんのアトリエ訪問記

美貌の香港人デザイナー、レニーKさん、ご存じですか? かつてよく日本の雑誌の香港特集に登場していました。

私が香港に来た頃、ゴフストリート、その後はアバディーンストリートに彼女のショップがあって、何度か取材をして、その時お買い上げした服は今でも気に入っていまして、着る度にすごく褒められます。




お子さん二人のママになってからライフスタイルがすごく変わって、ショップはクローズしたけれども、デザイナーとしての活躍は続けているとの噂だけをちらほらと聞いてはいまして、彼女の服、また見たいな~とときとき考えていました。

そんなレニーさんに偶然再会したのが、昨年秋に香港のPMQで開かれたARTNEXTというグループ展に、お友達のイラストレーター、小野寺光子さんが出展したとき。

レニーさんは、チョンサム・コネクトという、チョンサム本来の素晴らしさを伝えていこうという女性達のグループに属していて、ご自分でもモダンなチョンサムのデザインが得意。このグループが小野寺さんを見出して、香港での展覧会開催のサポートなどをして下さっていたそうです。

実は右の絵のモデル、レニーさんらしいですよ!

そのオープニングパーティに行った時、あーレニーさんだ、と恐る恐る「すごーく前にときどき取材させてもらいました」と話しかけたら覚えていて下さいました♪

その時のセルフィーがありました(笑)。

そんなわけで、小野寺さんが次回香港に来たら彼女のアトリエに行きたいね、などと話をしていて、それが実現したのが今年の1月。

小野寺さんは、レニーさんにチョンサムを作ってもらう約束をしていたし、私は私で、電子書籍の表紙に、私がチョンサムを着ているところを描いてもらうお願いをしていたので、一緒に行って、チョンサムのイメージを膨らませようということに。

彼女のアトリエがあるのが、黄竹坑。とても広くて素敵なのです!

置いてある服はほとんどが彼女のオリジナル。もうひたすら目移りしちゃいます。

こんなエッジィなデザインのチョンサムもいいですね! ちょっと琵琶法師っぽいかしら、というのは以下自粛w

まさかのユニオンジャック柄もかっこいい!

カジュアルで可愛いチョンサムの奥には、立体的でエレガントなドレスも!

 

昔のショップにもどっさり置いてあった、彼女が集めたビンテージなどの素敵な布地が、今はこんなに広いスペースに置いてありました! ものづくりに最適ですね。

素敵な布地の山にときめきます!!

こんなマンダリンカラーを生かしたドレスも素敵ですねー! レニーさんセレクトの帽子も密かに人気アイテムです。

こんな陰陽風デザインもシンプルでかっこいい。

 




最近のデザインもいろいろ見せてくれました。

最新デザイン「Zai Zai」コレクションのこんなドレス、「これあなたに似合いそうよ」と見せてくれました。着てみたい!

さてさて、この日の主目的は小野寺さんのオーダーです。

「ドレスもいいけど、こういうジャケット、似合うんじゃないかしら」とレニーさんからのアドバイス。確かに普段着やすくて出番がとても多そう!

布地はどうする?気に入ったの探してみて!と言われて、小野寺さんも私も最初に飛びついたのがこれでした。

艶やかな鳥の刺繍柄!

この日の第二目的が、電子書籍の表紙のイメージを考えようということで、レニーさんのチョンサム着た絵でもいいかもしれないということになり、私も試着させてもらいました。ちょっとわざとらしく上目遣い♪

恥ずかしながらレニーさんと一緒の全身写真も♪

小野寺さんのスタイルが決まり、さっそく採寸が始まりました。

二人が採寸に忙しい間、私は、また目移りして写真を撮りまくり。こんなドレスも素敵ですね!

ちょろちょろ、ちょろちょろ、していた私(笑)。

お宝だらけで楽しい空間です!

才能豊かなレニーさん、なんと彼女が描いたイラストもあちこちに飾られています。す、すごい!

彼女のイラストを前にして3人で記念写真!

しかし私が抜けて小野寺さんとレニーさんが二人になると、どこかアーティストのユニットっぽい雰囲気が流れるんですよね!!!やはり通じ合うものがあるんですねー。

実はこの日の成果が先日完成!ということで、小野寺さんが受け取ったときの写真をお借りしました。ものすごく素敵ですよね!!!!アーティストユニット再結成。




レニーさんがお友達と新しく始めた銅鑼湾のレストラン「一登龍門」で。インテリアデザインもレニーさんの手によるものだそう。次回は私もぜひうかがいたい!

レニーさんのアトリエで服を注文したいという方、詳しくはFacebookのこのページからメッセージして問い合わせて下さい♪

Raneek Official

そしてこの日イメトレした結果の素敵なイラストが、すでにおなじみのこちらです 。

冒頭に出てくる、レニーさんがモデルの絵の左にあった、スターフェリーに乗っている女性の姿もヒントになりました(美化して細長ーくしてもらいました、笑)。

膝下丈で少しゆったり目の、こんなチョンサム欲しいですねー! 次回は私も作っていただきたいものです。




「香港ときどき公立病院(3)」説明無しでも生き抜く力が大切(笑)

さて、前回は病院内での見事な伝達に感動した一方で、完全に犠牲にされている一面に気づきました。

それは「説明」。もちろん医療面の説明は詳しくしてくれるものの、「今から何をする」というような簡単な説明はすべて省略。

公立病院の最大の短所、と言えば間違いなく食事です(これはまた次回、じっくりお話いたします)。そして、それとはまた異なる短所なのが、この「説明の無さ」なのかもしれません。結果的には治療をちゃんとやってくれるので、文句はないのですが、その場では「ええ?あれあれ?何が起きてるの?もしかして忘れられてないか?」となって心許ない気分を何度も味わいました。

後から思えば笑い話なものの、これがもしかして公立病院に外国人がかかる上での難関かもしれません。

ええ?ティッシュ持って来なかったの?(ギロリ)の巻

たとえば。日本だったら入院前に「これとこれを自宅から持ってきて下さい」と説明してくれるとか、簡単なリストでもくれるんじゃないかなーと思うのですが、「入院のとき、持ってくるもののリストとかありますか?」と診察時に看護婦さんに聞いても「ない(終わり)」。

そうか、まあいいや、とにかく必要そうなものを、と試行錯誤しつつバッグに入れて入院したわけですが。




実は必携品だったのが「箱形のティッシュ」。すべての入院患者さんのところにティッシュが置いてありました。そしてドクターや看護婦さん、理学療法士さんが来たときに、「これこれこういうときは、こうやって、そしてティッシュを使って拭いて下さい」と言うので、「ティッシュ持ってこなかったんですけど」と言ったとき、皆さんここぞとばかり「うそだろ? ティッシュ持ってきてないだと?」って顔してドン引きするんですよ! いつも優しいのに、突然人間じゃない者を見るような冷たい目に豹変するんです。な、な、な、なんでー???

その日、家族が見舞いにきたとき、私の第一声はもちろん「ティッシュ買ってきて~!!」。病院内のコンビニで山のように買ってきてもらったティッシュ、未だ無くならず家で使っております。

Fast and Furious! 車椅子ドリフト by オバチャン

説明が無かったために思わぬスリルとサスペンスも味わいました。

手術後数日経って、お腹が固く張ってしまってる気がすると、ちらりと看護婦さんに伝えた朝。その日の午後に、誰かが病室の入り口で「こっちこい」と手で招いている。え?行くの?そこへ?とヨタヨタ歩いて行くと(まだ歩けるようになったばかり)、車椅子が置いてあって、まあ座れと。ええ?座るの?と座った途端に、バリバリローカルなオバチャンが超高速で車椅子を押し始めたかと思うと、病棟の扉を駆け抜けて行きます。

なになになに?どこ行くの?なんで?病棟替わるの?

英語が通じなさそうだったので、かろうじて「びんどー???どこ行くの?」とはちゃめちゃな広東語で訪ねると答えは「2階」。だから2階で何すんの?と思いましたが、まあ諦めてなすがまま。

毎日これをやっているらしいオバチャンはスピード狂で、「シ、シートベルトしたい」と冷や汗かいている間に、突然前にゴミのワゴン押してるオジサンが通り過ぎそうになってギリギリに避けたり(おいおい、気をつけなさいよ、わっはっはとオバチャン笑ってるし)、障害物が次々と現れ、あまりのスリルとサスペンスに肘掛けをぐっと握りしめながら「万が一転倒した場合は、やはり片手はお腹の傷を守って、胎児の姿勢を取って、もう一本の手は頭をカバーだろうか」などと思わずシミュレーションをしてしまう私。

同時に、何日かぶりでエレベーターに乗って、病棟以外の世界を見た解放感も覚え始めました(頭の中にはThe whole new world~♪と歌が鳴り響き、笑)。

さて。相変わらずの高速移動で辿り着いた先は、入院患者用のレントゲン室でした。ベッドに寝たまま運ばれている人もいるものの、ほとんどが私と同じ車椅子。順番を待つ列の最後尾に、ほとんど減速せずにドリフトして突っ込むオバチャンの運転テク(笑)。あーそういうことだったのね、とやっと納得。

ここにはまたすごいレントゲン設備があって、私はスチール製の大きなベッドのようなところに寝させられて、上から撮影をされました。

私のお腹の張りの原因を調べるためだったそうです。「レントゲン行くよ♪」って一言だけ言ってくれればオタオタしないのにぃ(笑)。

とは言え、思わぬ冒険にアドレナリンが出て、気分転換にはなりましたっけ。




心許ないのは香港人も同じらしい・・・・・・

いろいろとワケが分からなくて不安に陥るのは、私が外国人で病院事情が分からず、広東語もよく分からないからだろうか、と思うのが自然ではありますが、どうもワケが分からないのは公立病院慣れしていない香港人も同じなんだと気が付く出来事がありました。

入院の前々日、いわゆる手術前検査で日帰り入院という日がありました。前日深夜から絶食、朝から絶飲で8時に受付を済ませると、病院パジャマを渡されて着替えさせられました。

チェックのパジャマはマークス&スペンサー。元はネル地らしいものの、洗いすぎてゴワゴワで紙みたい(笑)。老若男女問わず、これを着ている人は患者、と分かりやすいようです。中にはまるで普通のシャツのように、その上からバッグを斜め掛けにして、チノパン履いて、着こなしている男性がちらほら。

そこで待ってなさい、と言われて、固い待合椅子に座っていると、そこに血液検査や血圧検査、尿検査など、ちょこちょこと担当者がやって来ます。一緒に来た夫も、これは流れ作業でどんどん終わるんだろうと思って会社に行ってしまいました。

別の階でレントゲン撮って来て、この後は理学療法士さんの説明とドクターの診察があるから、それが終わったらすべて終了、と言われたので、ああ、お昼ぐらいには終わるのかなーと軽く考えていました。

しかしその後。固くて冷たい椅子の上に座って、待てど暮らせど、次の呼び出しがない。気が付けばランチの時間になって、入院患者さんたちは、運ばれてきた病院食を食べています。この時点で、全部終わったら外で何か美味しいものを食べようとしか思っていなかったのです。

すると横に座っていた香港人女性から「あなた日本人?」と話しかけられました。彼女は付き添いで、「私の姉は昨日から24時間絶食していて、それでずっと待たされてほったらかしにされているのよ、いったいここはどうなってるの? ワケが分からないわ」とご立腹。見ると、明らかに弱り切ったお姉さんが隣にいました。

彼女は広東語で看護婦さんに話しかけていたりするんですが、どうも埒があかないらしい。あ、外国人じゃなくても勝手が分からなくて困るんだ、とここで納得。しかも彼女はなぜか私に色々聞いてくるんですよ。聞く相手が違うだろうーと不思議になりました。

そうこうしているうちに14時頃。絶飲絶食していますから、だんだんフラフラして来るし、自分がすでに絶食を止めていい段階なのかも分からない。すっかりぐったりしていると、食事を運んでいたオバチャンが私に気づいて「シックファン?ご飯食べる?」と聞いている。え?私も食べていいの?それ私の?と戸惑いながら、ええい、食べてしまえとオバチャンに従って、食事用のテーブルに行って、初の病院食を体験。

うーん(笑)魚料理が生煮えっぽくて、「これでお腹壊したりしないのかな」と心配しながら、無理矢理食べました(基本味付けは無し)。しかしこれでも、その後体験したものよりずいぶんマシなメニューだったことには、まだ気づいていませんでした・・・・・・。

その後もひたすら次の呼び出しを待ち続けているうちに、体は冷房で冷えきって、お尻は痛いし、疲労困憊、何だか寒気がしてきて「まずい、手術を受ける前だと言うのに、せっかく良かった体調をここで崩して熱でも出したらばかばかしい」という疑問が湧いて来ました。

ちょっと頑張らなくっちゃと戦闘モードにスイッチが入って、ナースステーション(といってもみんな出払っていて人がいない)のようなところに行って、「ここでずっと待っていたら、疲れて調子が悪くなってきたんだけど、もうちょっと休める場所はないですか?」とたまたまいた看護婦さんに聞いてみました。

周りには移動式ベッドに寝ている患者さんもチラホラ。でも私は基本的に元気だったし、自分があれに寝るという発想はまだありませんでした。せめてもう少し柔らかいソファにでも座れたらな、ぐらいの気持ちだったのです。

「あなたはまだお医者さんに会ってサインもらってないから、入院患者じゃないので、ベッドは使えない、とにかくお医者さんに会うのを待ってて」と言い捨てられて、呆然! だいたいすでに3時間ぐらいお医者さんを待っていて、いつになったらいったい来るのかも定かでは無い。

これはどうしようもない、ここで待つしかないのかと、ほとんど半泣きになって椅子の上で丸まって体を温めていたら、看護婦さんではなくて雑用係のオバチャンが通りかかり、私の様子を見て「ベッドに寝る?寝る?」と聞いてくる!

「寝る寝る寝る寝る」!

迷わずオバチャンに着いていくと、隅の方にあった移動式ベッドをきれいにして、使わせてくれました。オバチャンありがとう~! そこで2時間ぐらい爆睡して、すっかり元気になりました(つまり、まだまだお医者さんの順番は来ていなかったということ)。

ほとんど写真が無い中、このベッドを獲得した喜びの瞬間の写真を発見! 患者服もばっちり着用(笑)。

起きてから、ついにお医者さんが来て、その後は理学療法士が来て、まだこれがある、あれがある、と待たされ・・・・・・。結局、すべて終わったのは20:00!もう完全にヨレヨレで、この日はタクシーで帰りました。

入院してから、ずっとこんな調子だったらどうしよう、と不安になったものの、入院してからはもっと至れり尽くせりでした。患者のプライオリティ付けがとてもはっきりしていて、ひとたびしっかり扱うべき入院患者という立場になれば、徹底的に気に掛けてくれますが、そうでない段階では、ほとんど放置ということなんでしょうかねー。

あとは付き添いなしで来ている患者というのは、ほとんどいないので、その日の私のように患者本人がオタオタさせられることはあまり考えられていないみたいです。

そして結論。病院では、下働き的なオバチャンの権力が意外に強い(決まり事も、気分次第でさらっと無視して親切にしてくれる)! おかげで何度も救われました。

まだまだ「香港ときどき公立病院」シリーズは続きます♪




香港トップシェフの鹿児島食材紀行(前・後編)をヒトサラマガジンに執筆しました♪

インスタをフォローして下さっている方は見覚えがあるかもしれないのですが、今年の3月、「フランツェンズ・キッチン」のジム、「ネイバーフッド」のデビッド、「オクラ」のマックス、「オステリア・マルツィア」のルカというトップシェフたち、そしてオステリアの他に、口利福ベロンブエノスアイレスポロクラブなど多数の素敵レストランを持つブラックシープグループ創業者の一人であるクリスの5人を連れて、鹿児島に行って参りました!




記事では使えなかった(笑)記念写真がたっくさーん、あります♪ (まだお腹に腫瘍を飼っていたころです、苦笑)

こちらは霧島市福山町の坂元醸造で。蔵元技師長の素晴らしいお話と黒酢のあまりの美味しさに一堂、感激。お土産にいただいた他にもどっさりと黒酢製品を買って帰りました(また補給に行きたいです♪)

普段は香港の食を日本に紹介している私としては、日頃の取材先との関係性を違う形で生かすことができた異色のお仕事でした。個性が強くて気ままなところと、徹底したこだわりとを併せ持つ仲良しのシェフ達とも、いつもとはまた違う時間を過ごせて(猛獣使いと陰で呼ばれつつ、笑)、日本人の私にとっても学ぶことばかりの充実した旅でしたー。

リンクはこちら↓↓↓
香港から鹿児島へ。5人のシェフが食材に惚れ込んだとき、新しい料理の創造が始まる(前編)

香港から鹿児島へ。5人のシェフが食材に惚れ込んだとき、新しい料理の創造が始まる(後編)




こちらはカンパチの養殖場を見学した垂水市から。桜島って本当に勇壮で惚れますね!

手術やら入院やらを挟んでしまって、出すまでに時間がやたらかかってしまったものの、後日談まで取材して取り入れたので、むしろ「シェフが経験をどのように昇華させるのか」というところまで書けて、良かったのかもしれません。

とにかく盛りだくさんの旅だったので、紹介できていない体験もたっぷりありました。ちょこちょこ、このブログやフィガロのブログでも紹介しようと思います♪

こちらは薩摩酒造さんの見学後! シェフたちはすっかり焼酎ファンになっていました!

ちなみにこの可愛い姿は魚市場で。いろいろなギャップ萌え同時多発でした(笑)。かぶり心地があまりによくて、脱ぐのを忘れてたんだとか!

皆さん、とっても有名なシェフばかりですから、インスタ&FBにアップしたときは、香港の業界の友だち達、騒然(笑)いやーノリが良くって楽しすぎました。

もちろん、とっても真面目な方達ですから、真剣に魚について討論しているの図。

深く学びながらも、笑いっぱなしで楽しい4日間でした♪ ちょこちょこ書いていかなくっちゃ。

まずは、ぜひヒトサラの記事、ご覧下さい♪

 

 

 

 

「香港ときどき公立病院(2)」マンモス病院が切り捨てること、守ること

手術から1ヶ月が経ち、かなり普通に戻りつつあるところで、ちょっと風邪を引いてしまって足踏み状態です。とは言え、スローペースながら、ちょこちょこ原稿も書いたりもしています(まもなくアップされるものもいくつかあるのでご紹介しますねー)。

私の病院体験記、先日日本から来たお友達を前にしてさんざん話したら、とても受けまして(笑)、珍しい話だから、面白いのかな?と、忘れる前にもう少し書いて置こうと思います。




病院まで往復3時間、中に入ったらアドベンチャーゲーム

さて。前回もお話したように、私がお世話になったのは、香港中文大学付属のプリンスオブウェールズ病院。自宅から1時間半もかかるものの、消化器系腫瘍の権威がいて大手術にもきちんと対応できるとのことで、選んで正解でした。

とはいえ入院前に、例えば「もしもし~?この前、スキャンの結果を家に持って帰ったでしょ。来週月曜日にあなたの手術に関するミーティングがあるから、その前に何人かの先生で見ておきたくて、やっぱり今日持ってきて」と先生から電話があれば、もう持っていくしかないですよね。あまり遠くに住んでいる患者さんがいないらしくて、わりと気軽に呼び出されるんです(涙)

行って帰って3時間。「尿検査のサンプル、4日分、毎日提出して」と言われれば、はい、また行って帰って3時間・・・・・・ということで、病院の近くに引っ越したい~と一時は思いました。なんだかんだと入院前から、検査のためにずいぶん時間と体力が削られていましたっけ。

そして病院についてからもまた、歩くんです。この病院本当に巨大。さらに、部門ごとに完全な縦割りになっていて、一つの部門に他の部門の場所を聞いても「それは食堂のあっちかなあ」と職員食堂を中心にした、ぼんやりした位置ぐらいしか教えてくれません(笑)。

館内に病院の模型がありました。左右の高層ビルの辺りを除いて、ぜーんぶ同じ病院なんですよ。ハーバーシティより大きいんじゃないでしょうか。

先日はまた久しぶりに、この縦割りの洗礼を浴びました。尿検査の提出場所(病理学何とか部門)に行ったら「これ1本だけ容器が違う。もらったところの看護婦さんに、正しいのもらって入れ直して来て」

えー、なんでここに正しい空容器がないの??? ちょっとだけ違ったっていいじゃない、でもここにはなくて、とにかくダメらしい。

その後15分歩いてもらった部門へ、そうしたらその日は部門が開いていなくて、もらえる先を探してまた15分歩き。やっと容器を手に入れて提出場所に戻るのにまた15分……建物は増築に増築を重ねたような迷宮的なつながり方をしていて、常にアドベンチャーゲームと借り物競走の選手の気分で、忍耐と方向感覚と動物的勘を試されます。

あちこちたらい回しにされたりしているうちに、気が付いたら病院に行って帰ってきたら1万歩歩いていたなんて日も。病院に行くにもほんと体力が必要です(笑)。

もうかなり病院内の地理を把握したので、いつでもコーディネーターになってメディアの案内とか出来そう(需要ない、笑)。

マンモス病院の恐るべき伝達マジック!

しかしこんなに縦割りで、はちゃめちゃなように思えるのに、すごいところはすごい。私が声を大にして言いたい、いちばん「すごいな、香港の大学病院」と思ったことはと言うと。

とにかくマンモス病院で、患者さんも星の数ほどいて、ドクターもメインの偉い方以外にも学生や若手や、もう凄まじい人数で、毎日違うドクターがぞろぞろやって来る、看護婦さんもシフトがどんどん変わって、入院期間中同じ人に当たることがほとんどないほど。とにかく覚えきれない人数が私の治療に関わっていて、どこもかしこも患者だらけ、にも関わらず!

治療に関する情報、私の状態、どんな問題が今あるか、何が心配で不調か、などなど、本当に些細な情報まで、すべてが完璧に引き継がれているんです。

どんな些細なことかと言うと、例えば「小指の先が痒い」とか(笑)。私が支給されている水をあまり飲んでないようだ(実際は持ってきてもらったボトルで飲んでいた)なんてことも、後からチェックされていたことに気づいて驚きました。

一度として「ここが痛いんだけど」「ここがこうで心配なんだけど」と軽く伝えたことも漏れたことがなく、誰かに伝えれば、その後しばらくしてドクターだったり看護婦さんだったり理学療法士だったり、誰かしらその専門の人が来て、「ここがこうで、こうなんだって?」とチェックして適切に処置してくれます。

時には、一人ドクターが来た後に、また別のドクターが来て同じことを聞いてくれたりするほど。ダブりはあっても漏れはない。この伝達網の間違いなさには感動しました。

私は入院中に病棟を3回、病室を5回、真夜中に突然に移動したりしたけれども、病棟が変わって、私の荷物はおいて行かれて数日後に取り戻したりしても、とにかく私の状態についての伝達網は完璧でした。

「患者へのサービス的な発想を一切切り捨てて、治療に最重要なことだけに徹底的に専念する」。それが公立病院の在り方なのかなー、などと感じさせられました。

この情報の共有方法、どんなやり方をしているのか、ジャーナリスト的興味が湧きます。ちなみに一部門(ものすごい大きい)の手術のスケジュールは、1冊のノートを共有して管理されていました。コンピューターではないんですねー。初診前に紹介元からのレポートはファックスで送れと言われたし、アナログで培った確実な情報伝達というのが完成されているようです(メールだとまぎれてしまったり消えてしまったりで見逃すことがあるけれども、ファックスで紙が届いていると、見逃さない/無くならない、みたいなアナログならではの安心感、ありますね)。

集中治療室の専属看護婦さん&圧倒的な騒音

特に集中治療室にいた時には、患者一人に看護婦さん一人が専属になるわけですが、数時間おきにシフトが変わって交替します。このときに毎回30分近くかけて延々と私についての情報と今の状態を次の看護婦さんに口述で伝えているのが聞こえました。ここでも、思った以上にアナログな情報伝達がされていて、それがいちばん確実な方法と確信しているんだろうなーと、チューブ30本付けられたまま納得している元気な患者でした(笑)。

ちなみに入院する前に「香港の公立病院は大部屋で、とにかく患者がうるさいよ」と聞かされて戦戦恐恐としていたものの、私の場合は消化器系の病棟で弱っている高齢の患者さんが多かったせいか、患者さん自体はとても静かでした。そんな中、恐ろしいまでの騒音に呆然としたのが、集中治療室でのドクターと看護婦さんの深夜の伝達タイムだったのです。

なぜか毎晩11時頃から2時間ぐらい、その伝達タイムが始まるのです。一度に30人ぐらいの大人がほとんど絶叫しているような最大音量で延々と会話を続けているど真ん中に寝ている状態・・・・・・。後にも先にもあんな騒音の中に身を置いたことがありません。音楽でも聴いて、と言っても、そんな音をかき消すことは不可能で、また騒音が一つ増えるだけという感じ(ノイズキャンセリングのヘッドフォンを持ってくれば良かった!)。ちなみに家族に耳栓を持ってきてもらった途端に、一般病棟に移ることになったので、あったらどの程度緩和されたかは不明です。

しかし恐ろしいことに、そんなにうるさいのに、体が弱っているせいか、その中で気づいたら眠ってしまうんですね。でも睡眠学習というのか、しばらく頭の中にガンガンその騒音が残っているような状態が続いて、起きても頭の中でガンガン話し声が鳴り響く気がしました。しかし夜中3時頃になると、打って変わって物音一つしない集中治療室。看護婦さんもなぜかひそひそ声で話しかけてくる。

今思えば、ここでの専属看護婦さんは大変な贅沢でした。面白いことに、一人ずつ、得意技が違うみたいで、私が手術跡の痛みを感じにくい体勢ですっぽりハマるように、ベッドの上に枕や布団を組み合わせて3D寝床を作ってくれる人、身繕いを丁寧にしてくれて髪の毛を梳かしたり結わいたりして小ぎれいにしてくれる人、血液検査や点滴などのために、腕に多数付けられていた栓が乱れていたのを整然とキレイに完璧に付け治してくれる人・・・・・・。看護婦さんの得意技、すごいです(その代わり、他の人の得意技を頼もうと思っても、さらっと無視されて今ひとつやってもらえません、笑)。

集中治療室にいたときの写真、お恥ずかしいのでミニサイズで。あちこちチューブだらけでした。

最初は慣れませんでしたが、途中からは、甘え上手な愛玩動物系患者になって、若い看護婦さんたちに大変可愛がっていただきました(笑、ちゃっかり末っ子気質というやつですね)。しかし本当に、皆さん忙しくよく働いて、真剣に面倒を見て下さるので、有り難い限りでした。

次回はこの伝達の素晴らしさの裏にある、説明のなさという特徴に迫ります!




ペニンシュラ香港の新カルナリージャーニーをフィガロブログに紹介しました

風邪を引いたりしていますが、徐々に社会復帰をしている今日このごろ。

久しぶりにフィガロブログ「かぐわしきみなと通信」を更新しました!




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ペニンシュラ香港で、歴史を辿る食の旅へ

ペニンシュラ香港のガディス、スプリングムーン、フェリックスを回る美食の旅気分ディナー。記事内ではガディスのみ紹介しています。

この日、スプリングムーンとフェリックスの料理も見せていただきました!

こちらはスプリングムーン。

これはフェリックス。

ゆっくり食べて移動して、と時間を気にせずペニンシュラの雰囲気に浸ったら、とてもいい夜になりそうな企画ですよね!

そして「香港ときどきマカオ」読者の方には、これがやっぱりツボなのではないかと!

「あーうちの食器!」と右上のコーラルクレストを見て思っている方、多いのでは(笑)。そう、粵東磁廠で作られて、今も販売されている食器です。その後ろにあるのはガディスのメニューを描いて焼いたお皿! 昔のものは、あの店で作られているものが多そうですね。

ぜひぜひフィガロブログもご覧下さい♪

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「香港ときどき公立病院(1)」実は手術&入院しておりました!

前の投稿でもちらりとお話しましたが、5/23に香港のプリンス・オブ・ウェールズ病院で外科手術を受けまして、5/21~29まで入院していました。




5/30に長男の高校の卒業式があったため、どうしてもそれに出たい一心で頑張りまして、かなりの早期退院でした。退院した時は、果たして自宅のベッドで起き上がれるのか心配していたのが嘘のように、今は普通に動けて、外出もできます(体力と食欲は元がすごかったので、その半分ぐらいになっています。人並みになったのかも、笑)。

実は問題が発覚したのが4/6。と言うことで、3月にご一緒した方は「ええ?ええー? いつの間に???」とひたすら驚くばかり。ちょっとバタバタしてると2ヶ月ぐらいすぐ経ってしまいますよね!

元々、伏線として、去年の冬から体重がどんどん減りまして。ダイエットもちょっと意識したりしていたので、正直最初は喜んでいたのです。

3月に極度の忙しさが続いた後、4月初めに体調を崩して数日間寝込みました。そして気がつけば「この体重に戻ることが出来たら夢のようだけど、無理だから諦めよう」と以前思っていた理想体重に到達し、喜んでいたのもつかの間、さらにそれよりもあっという間に1kg減ったではないですか。

これはやっぱり、不自然だ。そう思って近所のクリニックへ。とりあえず血液検査を受けました。結果は来週ね、と言われて帰宅。その夜、寝ているときに、ふとおへその右辺りに手を当てると、そこに明らかに異物感のある固まりがありました。

これはよろしくない。

ぞっとしながら夫に伝えると、夫も息を飲み「すぐ医者に行こう」。4月4日のことでした。




翌日は祝日で休診日のため、4月6日に近所のクリニックへ。血液検査の結果はまだ来ていないものの、異物感を伝え、先生も触診して同意。すぐに中環の専門医に紹介レターを書いてくれました。誰かかかりつけの方はいる?と聞かれて、いないので先生の良いと思う方で、とお願いしたのがその後の良い流れにつながりました。

その足で中環に向かい、専門医に会うとCT Scanを撮ることに。確か同日に同じビル内のクリニックで撮影。翌週結果を聞きに再び専門医を訪れました。

そこで聞いたのは、まったく予想外の結果でした。

「お腹の右側に巨大な腫瘍があります。サイズは13.5cm*8cm*8cm」

ええええ~?? 確かにスキャンにはまるで4人目かというような巨大な塊が。

そして、これは消化器や子宮の中ではなく、臓器の外にどかんと存在しているんです。

「地元のクリニックから転送された血液検査には何ら異常はありませんでした。おそらく通常の癌であれば、この大きさになっていたら転移していてもおかしくないのに、それはなさそうなところも鑑みると、10万人に1人に発生する特殊な腫瘍ではないかと推測します」と先生。

これは確実に開腹手術が必要で、他の臓器や大動脈から近く、腫瘍が浸潤している可能性があって、それは開腹してみないと分からないため、それぞれの部位の専門家を待機させての大手術になる可能性があること。一般的な小さい腫瘍であれば、自分が切除できるけれども、このケースは高度な専門知識があって、複数の器官の専門家チームがいて、最先端の設備がある大学病院で手術を受けることを勧めます、と先生。

こうしてその日中に紹介状をいただいて向かったのが、プリンス・オブ・ウェールズ病院。中文大学医学部付属の大病院です。

香港で特殊な腫瘍の権威である先生が率いる優秀で熱心で親切なチームに診ていただいて、結果的にもう感謝の念しかないのですが、そこはバリバリの公立マンモス病院、ということで、「どうなってるの~」「聞いてないよ~」なサバイバルな事件も多発。世界中を旅して暮らしてさまざまなトラブルを解決してきた経験と、この難解な謎解きアドベンチャーゲームをクリアするしかないぞという不屈の闘志で、何とか乗り越えたぞ、と自分を褒めてあげたいです(笑)。

この公立病院のあるある(強烈に素晴らしい面を実現するために、一定の側面は完全に切り捨てていることから起きる、さまざまな当惑)は、また次回例を挙げてご説明しましょう。

これは最初に入った病室からの景色!この辺のビル、全部同じ病院の敷地なんです。まさにマンモス。

このような腫瘍など出来てしまって、開腹手術なんて、と落ち込みもし、星占いなどで「今年は幸運期」なんて書いてあると「何言ってんだい」といじけていたものの、今になってみると、もうこれは大幸運期としか言いようのない、ラッキーの連続でした。

何がそんなにラッキーだったかとういうと。

1)香港の公立病院は、技術も設備も素晴らしく、治療費もほぼタダ同然。その代わり、診察予約や手術まで大変待たされてしまい病状が悪化してしまうことも、というのが最大のネック。それが私の場合は、最初の診断が10万人に1人、次に出た診断が15万に1人、開腹した結果、最終的にはまだはっきりしないものの、それをさらに上回る超レアケースらしい=大学病院としては貴重な研究材料だったことが大きいのではないかと思いますが(スキャンを見た時、先生の目がキラキラ輝いたような気がします、笑)、腫瘍がとても巨大で緊急を要することが明らかだった(どこにも転移していないらしいのが奇跡的とも。手術前の数週間は、内臓が圧迫されているのが分かって辛かったです)こともあって、通常あり得ないほどの最速で手術まで辿り着くことができました。

紹介状を書いてくれた先生も「なるべく最速で診察してもらえるように書いておくから」と言ってくれていたので、緊急性が強調されていたのではないかと。

2)内視鏡検査やらいろいろな検査の結果、おそらく十二指腸か膵臓に浸潤していて、周辺をかなり大きく切除して、再建する必要があり・・・・・・と私は人造人間にされるのか、と青くなるような説明図を何度もドクターが描いてくれました。中でも胆管を切ってつなぎ直すときに、これは2mm程度しか直径がないところを手で縫い付けるので、そこから消化液が漏れて合併症になる危険が50%あって、それが原因で死に至ることも・・・・・・などなど、医学的な説明というのは、常に最善から最悪のケースまできっちり説明してくれるので、最悪のケースを考えるとどうしても真っ青に。入院期間は最短で10日間、最悪で2ヶ月とも説明されていました。

食べるのが仕事のようなものですし、食いしん坊ですから、普通に食べられなくなるかもしれないというのは、非常に心配でしたが、この再建手術自体は珍しいものではなく、似たケースを経験したけれども、普通に今は食べられているよ、などという知人の話も耳にしました。

直前までハタから見れば、まったくいつも通りに見えていて、食は細くなっていたけれども入院前日まで「当分食べられないかもしれない」と高級寿司を週に3回も食べたりして(バカ)、もう後は頑張るしかない、戦うぞ、おー!と覚悟を決めての入院でした。

ここで秘蔵の手術直前セルフィー。どうみても重病人には見えませんでしたね。あ、ノーメイクです、笑。

それがなんと。手術自体は、全身麻酔なので、目が覚めたら終わっているわけですが。「朝8時スタートで、最低9時間はかかるので、終了は17時頃予定」と聞いていたのに、目が覚めたとき、病室が明るいんです。

ぼんやりと時計が見えたら、あら?これは昼の12時? もしかして。もしかして。麻酔がかかっているとはいえ、あまりお腹の辺りに違和感もないのです。手術後は集中治療室に入ると言われていたけれども、どうもここはそれっぽくはない。

いろいろと説明してくれている先生に「先生、まだ12時なんですか?」と尋ねると。

「そうなんだよ。予定より随分早く終わって」

「もしかして????」

「そうそう。驚いたことに、開けてみたら、どこの臓器にも血管にも浸潤していなくて、どこも切らずに、腫瘍だけを取り除くだけだったんだ」

「!!!!!!!!!!!!」

覚悟を完全に決めていたので、晴天の霹靂の喜びでした。先生達にとっても、まったくの想定外だったそうです。後から「想定していたよりも、腫瘍が下にあって、膀胱などと近かったので、泌尿器科の先生を急遽呼んで、注意しながら切除した」のだそう。さすが大病院です。そして腫瘍のせいで、やはり他の内臓が圧迫されて、位置がすっかりおかしくなっていたのを、あるべき位置にすべて戻した(ああ、その状況、動画で見てみたかった、笑)ので、体が慣れるまで時間がかかるはず、とも言われました。

お腹の傷口を見てみると、ホッチキスが33針。やっぱりこれは大手術だったんだと実感しました。

ちなみに私がいたのは集中治療室ではなく、High Dependency Unitという、一般病棟と集中治療室の中間的な病室でした(その後、血圧が急降下して、集中治療室に結局2日間送られることにはなりました)。

その時点で、体のあちこちから30本ぐらいチューブがつながれていて、もちろん寝たきりでしたが、頭と手はまったく元気で、スマホからWhatsappやらメールやらで、手術のことを知っている人に、最高の結果だったよ、とメッセージを送りまくっていました(笑)




あまり悲惨な写真を撮るのもと、ほとんど撮ってないんですが、集中治療室にいたときの様子(笑)。イギリスにいる娘とスカイプしているところを、スナップチャットで息子達が遊んでいたので、楽しそうに見えるかな、と(笑)。

大学病院ですから、大先生を筆頭にずらずらと先生たちの集団が回診に来てくれます。誰が執刀したとか、手術室にいたとか、まったく説明はないものの、以前の診察で、手術の説明をしてくれていた顔見知りの先生が何人かいて、私を見ると「君の内臓どこも切らないで済んで、僕たちも嬉しかったよ」としみじみと話してくれて、「本当にありがとうございます」とひたすら感謝、感謝でした。

3)もう一つのラッキーは、回復がとても早くて、早期退院できたこと。ただ、入院前はとにかく手術が山と思っていたけれども、実際には手術は寝ているだけで先生任せ、その後のリカバリーが大変だったんだということに気が付きました。そしてただ寝ているだけじゃなくて、自分の治す意志というのが、こんなに大切だったのかということも、その場になってみて分かりました。

こういうのも一時は十カ所以上ついていたのが、少しずつ外れていくのが嬉しかったです。

24時間のうち、自分が確実に良くなっている、と思える時間は短くて、頑張っても思ったように良くならないとか、血糖値や血圧が下がって気分が悪いとか、気持ちの浮き沈みがとても激しかったものの、これも大変ラッキーに、そのときは「ああ、全然良くならない」と落ち込んでも、翌日にはそれがクリアできている、というのの連続で、3歩進んで2歩下がる、というペースで進むことができました。

特にやる気が倍増したのが、絶対無理だと思っていた息子の卒業式に、もしかしたら出られるかも?という可能性が強まっていったこと。とにかく歩いて食べることが大切でしたから、病室の周りをやたらに歩き回って、すっかりヨレヨレになっていたものの久しぶりにスキンケアもして髪も整えて小ぎれいにして、「私はこんなに元気よ」アピールをひたすらしておりました(笑)。

退院したときにいた病室。この吊り輪が体の移動にすごく便利で、エクササイズにもなるし、家にもあったらいいのに(笑)と思った一品です。

そして卒業式前日の朝。一番仲良しの先生が来てくれて、

「退院して家でリハビリできる自信はある?」。思わず「イエーーーース」!

(まるでこれは「明日スタジオに来てくれるかな~」「いいとも~」というのとまったく同じ間合いの掛け合いでした、笑)

「よし! 本日退院を許可します」

思わず手を叩きながら、「明日息子の卒業式なんで、すごく幸せです」と言ったら、「良かったね、歩くときは、ゆっくりね」と先生、ニッコリ。私は半分泣きべそでした。

無事退院~~の瞬間!外があまりに暑くなっていてびっくりしました。

いろいろと上がったり下がったり、エピソードには事欠かないので、別途体験記を書こうと思います。

退院してから2週間、着実に元気になっているものの、やっぱりちょっと気が沈んだりもしてしまうので、こうして当時のことを振り返っていると、ああ、あのときの自分からは想像ないほど快復しているんだな、と感謝の念が蘇って、書きながら元気が出てきました。

これが卒業式での感動のショット! もうウルウルしっぱなしでした!歩くのよりも、2時間近く座っている方が辛かったですねー。

 

マカオの下町の名店「一哥美食」で蟹粥と自家製腸粉♪

マカオで3月に開催された「アジアのベストレストラン50」は、香港にいるジャーナリストやブロガー友だちがマカオに大移動した楽しいお祭りでもありました。




筋金入りの食いしん坊が一堂に会するとき起きること・・・・・・言わずとしれた食べまくりの日々(笑)。

中でも印象に残ったのは、この一哥美食での蟹粥。マカオ半島はかなり歩き回っている方ではあるものの、ここは相当北の方のエリアです。

ポルトガル料理のディナーを食べてもうお腹いっぱいだというのに、すごくおいしいローカル蟹粥という一言に釣られて、なんと深夜に到着という夜遊びぶり(笑)。

そしてそんな時間だというのに、次から次へとお客さんが訪れてずっと満員なのです!

そして店頭では!若いお兄さんが腸粉をせっせと作っていました。これは期待が高まります。

ちゃんと写真付きメニューもあるので指さしもOK!

来た!出来たてホヤホヤの腸粉!胡麻かかってます。




そしてこれがまた、香港では食べたことがなかった斬新な組み合わせ。薄焼き卵、挽肉、葱が入っていて、これは美味しい!

そして主役の蟹粥!お腹がいっぱいだったのが悔やまれるけれども、蟹の味が濃厚にお粥に染みこんで、たまらない美味しさ。お腹が空いているときに、また食べたいです。

美味しいに決まっている、空心菜の腐乳炒め。キュルキュルっとした食感!

そして意外にも主役級の印象を残したのがこの焼きそば。きれいに処理した細いモヤシが麺と同じぐらい量があるのではないかというボリュームで、しゃきしゃきしてとてもヘルシー感があるのです。ざっくりしたローカル飯のようで丁寧さがにじみ出ていて幸せになる味。本当にお腹がいっぱい、と言いながら、ここでまたムシャムシャ(笑)。

深夜だけれども大賑わいだから、店員さんもいっぱい。テキパキしているけれども優しいです。

この日連れてきてくれたのは、チャン・ワイさんとサイ・リー君。二人とも有名なライターさんなんですよ♪ あまり香港だと遅くに友だちとご飯食べにいったりしていないから、楽しかった~。

お店の外には蟹がたくさん。

夜7時から朝の3時半までしか営業していない、まさに深夜食堂なお店です。

次回はお腹を空かせてたっぷり食べたい(と病み上がりなのに食欲だけはすでに旺盛な、笑)

マカオも知らないお店がまだまだたくさんあって、さらに開拓したいものです!

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ヒトサラ「食の都・マカオのトップレストランTOP 5」のコーディネイトをしました♪

ご無沙汰をしてしまいました!インスタやツイッターでフォローしてくださっている方は、ちらちらと目にされたと思うのですが、実は先月、手術&入院しまして、先週退院して、ただいま自宅療養中(まあオフィスも自宅ですからいつもと変わらないんですけど、笑)なのです。

おかげさまで手術はこれ以上望めない大成功、その後も大変順調にスピード回復していて、あまりもう心配しなくて良さそうです。いったい何の病気だったとか、何の手術をしたとか、この一連の話、詳しくブログに書こうかどうしようか、迷っているところです。なかなか面白い話かもしれないです・・・・・・気が向いたら書きますね(笑)。




さてさて、ワーカホリックで休めない性質なのを知っている友だちから「真面目に休め!」との大合唱が聞こえてくるので、真剣にダラダラしている今日この頃ですが(東京喰種、2シーズン分見ちゃいました、最高)。

私の中では「病気発覚前/後」でもうこれは、違う世界の、ものすごく昔の出来事のような、不思議な感覚なのです。

そんな「発覚前」の3月末、「アジアのベストレストラン50」でマカオに滞在した直後に続けてのお仕事だったのが、グルメサイト「ヒトサラ」のこの記事。昨年に香港編をやりまして、そのマカオ編です。私は今回、コーディネーターとして参加しました!

TOPページのリンクはこちらです↓↓↓↓

食の都・マカオのトップレストランTOP 5

ちょうど「アジアのベストレストラン」とイースター休暇の間の連休もあって、とにかくマカオはものすごい混雑。

あんまりすごいので一度ビデオを撮ったとき。もう香港のフェリーターミナルは足の踏み場もないカオス状態。日帰りで通ったものの、毎日状況が悪化して、チケットが買えなくなってきて冷や冷やものでした。

そんなわけで、取材ができない店も多かったため、最初に話をいただいたときとは違うセレクションになったものの、それでまたかえって新鮮な内容になったかもしれません!

詳しくはぜひリンクを辿ってください! ちょっとずつハイライトを。

やはりマカオのファインダイニングを語る上で欠かせないのが、ジェードドラゴン。

記事はこちらです↓↓↓

「Asia’s 50 best restaurants 2018」に、マカオで唯一ランクインした【Jade Dragon】

現在唯一、アジアのベストレストラン50にランクインしています。このジェードドラゴンがあるシティオブドリームスは、開業時(2009年ぐらいだったかな)によく取材に訪れていて、シェフ・タムにも何度もインタビューをしていました。それがかなり間が開いていたんだけれども、覚えていただいていて感動。

ちらっと試食のときの喜びを。疲れた体にしみ通る最高級の広東スープほど幸せになるものはありません。そして豪華な器にもうっとり。

もう一つ一つに手が込んでいて、マカオの華やかさとゆったり感いうのは、メガトン級(古い、笑)。何ですか!このスプーンは。次回はゆっくり食を楽しみにプライベートで行きたいですねー。

そしてお次は、アルティラ・ホテルにあるオーロラ。

記事はこちらです↓↓↓

高層階からマカオの摩天楼を一望できる人気の地中海レストランが【Aurora】

こちらもホテルが元々クラウンだった頃から取材でお世話になっていて、当時はフレンチでした。今は、ポルトガル人の素敵なシェフ・ヘルダーが率いる地中海料理。とても繊細で美しく、日本人の口に合う優しさに溢れています。

こちらは試食したタルタル。シェフは円を可愛らしく使うのがお得意です。チーズやクラッカーのデコレーション、冴えてますよね。

このとき、つい数日前にアジア・ベストペストリーシェフに選ばれた香港カプリスのニコラス・ランバートさんが遊びに来てたんです。ハーイと挨拶はしたけど、また香港でゆっくり話せばいいやと油断していたら・・・・・・なんとすぐにセントピーターズバーグに転勤になってしまいました(涙)写真の1枚でもご一緒しておけば良かった!彼のデザート最高でした。

アルティラ・ホテルはロケーションが絶妙で、他のホテルと離れていて隠れ家的ながら、景色が最高。特にマカオ半島のホテル群がこうやってパノラマで見えるというのは貴重なのです。落ち着いていて密かな名ホテル。

かと思えば、今回初めてお邪魔したのが、MGMコタイ!まだオープンほやほやでした。MGMコタイ! MGMマカオのパティオが元々大好きだった私には懐かしい造り。しかしこちらはさらにスケールが大きい。今はもっと店がオープンしているのでしょうね。早くこちらもチェックに行きたい!

こちらで取材したのが、オープン仕立てだったAji! 世界のトップレストラン2017で8位にランクインしているペルーのMaidoのマカオ店ということで注目の的!

記事はこちら↓↓↓

世界の食通が注目するペルー生まれの”ニッケイ”料理がマカオの【雅吉Aji】で味わえる!

この紫芋とタコのグリルは見た目からインパクト大! 和食をベースにしたペルーの日系料理、長い歴史と独自の発展からしっかり芯があって、ただの思い付きで生まれたのではない頼もしさがありました。そしてマカオという地にあることで、たとえばコーンの代わりに米を使うなど、アジア食を強めたアレンジも加わっているとか。やっぱりまたゆっくり食べに行きたい一軒です。

今回の5軒の中で、私にとっては一番おなじみだったのがウィンマカオの京花軒。

記事はこちら↓↓↓

中国料理の巨匠が魅せる、譚家菜を味わえるのが【GoldenFlower】

マカオにいると、こういうインテリアにもびっくりしなくなり「ちょっと控えめ」なんて思ったりして、感覚が狂います、笑。

こちらと言えば、やっぱりスープ! 濃厚版とクリア版、両方のスープの撮影や試食は過去に何度もしていたけれども、今回初めてシェフから作り方のお話を聞き、ものすごい手間のかけ方に驚くばかりでした。

そして初めてちゃんとシェフにもお会いできました!この大物感!またスープの話を聞きにうかがいたいです。

そしていよいよ取材最終日は、再びシティオブドリームスのThe Tasting Room!

記事はこちら↓↓↓

マカオで王道フレンチを味わえるのが、ワインも充実の【The Tasting Room】

ずっと前に来たことがあったけれども、今回は改めて感動しました。この余裕のある空間。

今回執筆された食楽編集長の大西さんと、ヒトサラ編集長の小西さん♪ 写真を撮ってくださったカメラマンの鈴木さんも加えたナイスガイ&ジェントルマンチームの中の紅一点で、楽しく笑いっぱなしの取材の日々でした!

この優雅な空間、取材最終日、きもちのいい光の中、ドンペリを飲むバブリーな時間。たまにはこういうのもいいですねー。まさかこの後、数週間後には坂道を転げるように手術なんて受ける羽目になろうとは、何も知らなかった私(遠い目)。

ちょうどグリーンアスパラガスの旬でした。完璧に火を通されたアスパラに、寸分の狂いなくあしらわれたソース。添えられているザリガニもサーブ直前に調理しています。

こちらが生前のお姿。元気いっぱいでした。

シェフのファブリスさん、以前には香港で取材して面識がありました。ちょっとごっついけど、料理がもう麗しくて繊細でポエティック、そして美味しい。これぞフレンチという正統派なところも、アジアの影響を受けたフレンチが当たり前になってきた昨今、逆に新鮮。

ということで記念写真!

まだまだマカオには美味しいお店、たくさんあります。香港からわざわざ行って食べる価値ある店も多数。もっと紹介していけるように頑張りまーす。

そして最後に。ヒトサラ名物なのが、シェフがお勧めするレストランのご紹介!

今回取材したシェフたちが、プライベートでお気に入りの店を教えてくれました。これも店選びの参考になりますよ♪

記事はこちら↓↓↓

トップシェフたちがオススメする店

ということで、思い出街道を辿る記事ご紹介でした!

・・・・・・闘病記、やっぱり読みたいですか?(笑)どうしようかなー!

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Restaurant de Chineで華やかで誠実なる広東の味(2)点心

前回はたっぷり一品料理をご紹介したRestaurant de Chine。

今回はこれまた素晴らしい点心をずらりとご紹介しましょう!

まずは点心盛り合わせ。このときは、衣のタロイモがサクサクに仕上がった海老フライ・・・・・・と言うと変ですね、笑。茶美豚の叉焼豚も載っています。



いちばん右がアヒルの卵。黄身も白身もとろとろーでキャビアも載っていいアクセントに。

プリンプリンの蝦餃!

薄い皮に技術を感じさせられます、小籠包!

フィガロにも登場しているホタテ貝とシャンパンソースの餃子。フィガロの点心ページの店選びをするとき、すぐこの点心が頭に浮かんだんですよ♪ 可愛さとシャンパンソースというひねりが効いた風味でキャラが立っています。

鮑丸ごと載せたタロイモコロッケとキャビア! さまざまな食感の違いを一度に楽しんで。

とても珍しいホタテ貝のチーズ入りタルト! 東西の味を組み合わせた新感覚点心です。




こちらは巷で流行した椎茸風包。中にはトリュフとさまざまな茸の餡が入っています。

壁のモザイクも涼しげです♪

このときは、日本から遊びに来ていたライターの大澤さんと点心ランチ <3

プライベートルームもいくつかあって、ビジネス需要が高いそうです。

一回目の一品料理も組み合わせたら、本当にバラエティ豊かですね。街中でのしっかり美味しいモダンで本格的な点心タイムにぜひご利用ください。

 

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