ちょっとびっくり体験というか、お役所仕事といえば、要領が悪いとか遅いとかいう意味で使われることが多いかと思うのですが(お役所勤めの皆さん、ごめんなさい)、香港のお役所仕事恐るべしという出来事がありました。
たまに愛想の悪い運転手がいるくらいで、香港のタクシーでそんな問題があったことは今までありませんでした。それが数日前に趣味の油絵のキャンバスを持ってタクシーに乗っていたら、目的地の少し前に運転手が5HKDを料金に足している。あれ?と思って(普通はトランクに荷物を入れた場合取られるけど、いくら大きい荷物でも自分で車内に持ち込むと取られない)いたら、料金を払うときにも「5HKDプラスでいくらいくら」と言ってくる。
「トランク使ってないんだけど?」といったら、「その荷物104cm以上ある(実際には1mもない、重さも500gもない)だろ、そうしたら追加料金なんだ」と言い張る。そんな話は聞いたこともないし、今まで何百回も、撮影の移動でカメラマンさんが機材バッグをトランクに入れたり、入れなかったりする度に、機械的に5HKDが加わるか加わらないかが決まっているのが明かだったし、もっと大きいキャンバスや荷物を運んだことも何回もあったけれども、誰も追加料金なんて言う運転手はいなかったという確信があったので「そんな話は聞いたことないし、8年いて何百回もタクシー乗っているけど、そんなこと言う運転手は1人もいない」と抗議。
補足:小さいスーツケースなど、重い荷物の時は、ちょっとグレーゾーンで、トランクに入れてないけど5HKD取られることもたまにあるそうです。しかし私のキャンバスは、指1本で持てる羽のような軽さ(^^;)
しかし運転手全然ひるみません。そこで名前のプレートをスマホで撮影して「そんなにしつこく言うなら、私は苦情を送るよ」と言っても「送ってもいいから、とりあえずこの料金を払え(しつこい!!)」。結局口論の末、私は払いませんでしたが、「You are poor」「香港ではこういうもんなんだ、お前が香港を知らないんだ」(ムカッ!)とかやたら捨て台詞を言われてもう腹が立つこと。
で、せっかく写真も撮ったし、運輸署のホームページにタクシーの苦情を送るところがあったので、写真も添付して、怒り心頭の勢いで送ってみました。
とはいえ、送ったからってそんな何かが起きるとは期待していませんでした。ところがところが、何と翌日の朝に、運輸署から返事が来ている! 内容を見たらなんとまた「嫌な思いをさせてしまって申し訳ありません、警察にその運転手を突き出すことができるのだが、捜査のために証人になってもらわないとなりません。その場合、調書をとるために警察に行ってもらったり、裁判に出席してもらわないといけない可能性がある」(@@)ええー! 正直そこまで考えていなかったので驚きました。しかし、ちゃんと「証人になることを控えたい場合は、警察には届けないものの、この運転手は運輸署の観察下に置かれるようになる」とのこと。
こ、これはどうしたものかと考えてしまい。まったく嫌なオヤジでしたが、5HKDのために刑務所だとか運転手廃業とかなったら?何だか人の恨みを背負ってしまうような気がして怖いような。それに今仕事忙しいから、呼び出されて何度も行くことになったら?それほどの価値があるだろうか? とはいえ、一方でとてつもなく好奇心が刺激されて「どんな顛末になるんだろう!?」と「やるやる」と言いたくなる気持ちも正直ありました。
香港人の友だちに相談したら、「観察下におかれるっていうので罰としては十分な気がするけど、ブログネタになって面白いと思ったら証人になってみたら」(笑)という貴重なアドバイス。
いままでこんな運転手1人もいなかったから、ほんとたまたまなのですが、こういうのが野放しになって、日本からの観光客の方に同じことをしようとしたら?などとも考えてしまいました。
ですが、これだけ迅速に思った以上の反応をお役所に示してもらえたことで、私の気分的には気が収まって満足してしまっているし、よっぽど必要な時以外、警察やら裁判所やらとわざわざ関わる必要はないなあと冷静になり。今朝「証人になるのはやめておきます。きちんと対応していただけてとても嬉しいです、ありがとうございます」と連絡を入れました。
そのほぼ同時に「Reminder」というタイトルで、昨日の苦情、どうするの?というメールが来ていたので、またびっくり。ほ、本気ですね(@@)
日頃、温厚な私ですがw、ときどき怒って苦情メールを変なところに出すことがあります。(たとえば子どもが使っていたオンラインゲームのサービスセンターとか、笑)しかしこの迅速さと的確さと容赦無さの迫力にはおみそれしました(ひょっとして悪徳運転手を摘発するとご褒美でもあったのでしょうか?、なんてことはないですよね)。香港のお役所は効率良いとは思っていたけど、またしても驚かされてしました。
・・・・・・ジャーナリスト根性がちょっと足りなかったでしょうか(笑)
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