再びの香港公立病院、ミニミニ体験記

皆様、ご無沙汰していました!




インスタグラムのストーリーやFBページをご覧の方は、気づかれたかと思いますが、実は3年ぶりに手術&入院をしていました。思えば前回あんな大手術をしていたのに、ずっとその後の経過が良かったのですっかり油断をしていて、今思えば、正直かなり調子に乗っていました。

今回また手術が必要になってしまって、ガッツーンとやられて、今後の人生設計にも影響することではあるのですが、人間そんなに長いこと「なんで私? なんで今?」とか思ってはいられないというのか、現状を受け入れて、できることはやって、反省するべきことは反省して、前に進むしかないですもんね。

ということで再びの公立病院体験記を書く機会ができてしまいました。入院前に前回のブログをじっくり読み返して、確かに前回は驚きの連続で、よく闘病しつつこの状態に耐えられたなと我ながら感心したりもしていました。

↓またしても着る羽目になった、マークス&スペンサーの患者パジャマ。1000回くらい洗っているらしくてごわごわです、笑。

前回は10万分の1か25万分の1のレアケースで、「開けてみないと分からない、かなり危険もあり得る」と言われていたのに比べると、今回は、手術自体は超早期発見でほとんど流れ作業的な内容で、不安はずっと少なかったものの、やっぱりいざ入院してみるといろいろ大変でした。

1つ大きな違いは、コロナ禍の影響で、入院中ずっと面会謝絶ということ。スカイプで家族と話はしていましたが、やっぱり「何時になったら家族が来てくれる」というのは大きな張り合いでした。それに、自分がまだ動けないときに、急がしそうな看護婦さんには頼みづらい「バッグに入ってるあれを出して欲しい」とか、「○○が食べたいから買ってきて」とか、気楽に頼める人が定期的に来ないのはなかなか大変でした。

それに、ちょっとした不安や不満も家族に伝えて、かわりに交渉してもらえるのは楽だったな、と改めて思いました。とにかくまだ術後で頭がはっきりしない、体は動かない中で、何でも自分で伝えて解決しなくちゃならないので、なかなかプレッシャーでしたが、一種の精神修養というのかな、修行になったかもしれません。

同じ病室には、寝たきりでずっと入院しているらしいおばあちゃんが2人いて、1人は毎日タブレット端末を家族とつないで、家族の団らんの様子を何時間も中継していました。これは病院との約束になっているようで、看護婦さんが時間になるとタブレットをおばあちゃんに渡して、寝ている時には枕元に立てて、という段取りになっていました。

もう1人のおばあちゃんは、中国本土から来ているらしく広東語は話さなくて、家族もいない様子でした。面会謝絶ではないときは、家族の絆が強い香港人は面会時間に毎日家族が押し寄せてきて大騒ぎだったので、誰も来てくれない人にはキツかったかもしれません。そう思うと、まあ面会謝絶のおかげで常に静かで、休みやすかったのはあったかな。




何より大変だったのは、先生の巡回も、前回は手術後で頭がぼーっとしている自分ではなくて、家族が来ている間に来てくれて、いろいろ説明してくれたのが、今回はなかったこと。

今回は手術して入院が数日過ぎてから、頭が少し冴えてきて「あれ、そういえば私の手術はどうだったの?」と疑問が湧いてきたものの、先生が来た時に自分が寝ぼけていて、「今日は調子どう?」と聞かれてつい機械的に「OK」と答えてしまって、「あらそう、じゃーね」と先生が行ってしまったりして、なかなかちゃんと話ができません。

これについては自分でも反省して「OKじゃなくて、ちゃんと状況を話さなきゃ」と考えていたのに、ある看護婦さんに「調子はどう?」と聞かれてまたくせで「OK」と答えた瞬間。

「OKじゃないから、あなたはここにいるんでしょ。ちゃんと話して」

ぐさっと心に刺さって涙が出てしまいました。彼女は本当に素晴らしくて、私が後ろ向きになってダラダラしてると、「ほら、しゃきっとして、起きてちゃんとご飯食べなさい」とたたき起こされたり、こういう人ってありがたいなーとしみじみ感謝しておりました。

とにかく公立病院では、さっさと退院できる状態に効率よく持って行って送り出すことに集中しているので、先生も看護婦さんも話す話題は、私の肺の状態(全身麻酔をすると肺が数時間停止しているので、手術後に肺の状態を元に戻さないと危険が生じやすいのだとか)についてのみ。

退院が決まった朝、最後の朝だ、あ、先生が来た、チャンス! 今日こそ何かありがたい話をしてもらえるかも、と身構えていたのに。

「ハーイ、おはよう、今朝は調子どう?」と先生が聞いてきた瞬間、助手の先生が「彼女は今日、退院です」と口を挟んだら。

「あーそう? バーイ!」とくるっときびすを返して、先生は次の患者さんの元に立ち去ってしまいました(笑)。この肩すかし感が、何だか香港らしいなっと笑ってしまいましたっけ。

結局、何ら説明をしてもらえないまま、退院して、フォローアップ検診を心待ちにしているところです。

さて、最後に気になる病院食! 今回は長いこと食欲がなかったし、味もあまり分からない状態だったので、実は最初はあまり気にしていませんでした。だから手術後最初の食事で、これが出てきても(ライスウォーター!)平気で食べていたので、看護婦さんに「この人は病院食OK」認定を受けてしまったらしく・・・家族に持ってきてもらうのが前より難しいし、まあいいかなとやり過ごしていました。

端午節には、ちゃんと粽も出ましたよ!

美味しいとは言えないけど、何とかやり過ごせてると途中までは思っていて、特に友だちにもお願いしたりしなくていいかな!と過ごしていたのですが。

5日目くらいから、病院から出たくてたまらなくなったと同時に、朝フルーツとヨーグルトが食べたいとか、とにかく水以外のものが飲みたいとか、プリンが食べたいとか(笑)、突如欲求がわき出てきて、ああ、しまった、もっといろいろ人の好意に甘えておけばよかった~などと後悔したり。

でもあとちょっとで退院!という空気も匂ってくるところで、誰かにお願いしても突如退院になったら迷惑だし~と躊躇しているところで。

「今日退院できるかも」とのお言葉が朝ありました。

やったー!と喜んだところで、出てきてしまったのがこのおかゆ。

見た目には普通ですが、これが本当になんだか紙を食べてるみたいな味がなくて変な食感で、前回もこれに苦しめられたんです。

しかし今朝、これをちゃんと食べないと、退院させてもらえなくなるかもしれない! それだけは避けたい! 完食するぞ!と決意した私。

夜中にお腹空いたら食べるかな、と持ってきた、無印のクラッカー(バジルトマト味とかだったかも)を油條の代わりに入れて、無理矢理完食しましたよ!!

やっぱり病院食は甘くなかったです(笑)。

もうできれば体験する必要がないことが一番なのですが、「日本の病院って、やっぱりご飯が美味しいのかな」と好奇心が沸いたり(体験はしませんので!笑)

そんなこんなで、手術から一ヶ月以上経ち、まだまだ体力は普段の半分以下ながら、少しずつ歩ける距離が延びたり、手術の傷が癒えたり、食欲が出てきたり、向上はしています。仕事もまあまあ座ってすることはできるようになったので、原稿も書いています。

(次の投稿でまたお知らせをしますね!!)

ちなみに今回の手術&入院&検査&退院後の薬、その他全部ひっくるめて、請求金額は1000ドルちょっと!(1万5000円ってところです!)

香港、いろいろありすぎな今日この頃ですが、医療に関しては、私は本当に恩恵にあずかっていて、全体的にちょっと雑だけど(笑)、明るくて優しくて働き者の看護婦さんや、キレキレに鋭くて優秀なのに妙に陽気なドクター達のおかげで、こうして元気を取り戻せることができて、感謝しかありません。

最後は仲良くなった若い看護婦さんが「退院嬉しい? そんなにここじゃリラックスできない?」って寂しそうな顔をするので、「そ、そんなことないけど、ほら、やっぱり我が家が一番だよね!」と押し切りました(笑)。

相変わらずスローペースですが、もっと投稿できるように頑張りますね!




 

 

 

 

1 Comment

  1. 大変だったんですね。暑い中でもあります。お大事にされてください。更新はぼちぼちで。

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