ほのぼの美味しいポルトガル料理を香港で!Casa Lisboa@蘭桂坊

マカオの仕事をよくしているので、もうこれでもか、というほどポルトガル料理の取材をしてきました。それはそれで大好きなものの、マカオのポルトガル料理はマカオ色が強くて、たとえばアフリカンチキンや蟹カレーのように本国にはないメニューも多数。お店によってポルトガル6:マカオ2:中国1:東南アジア1とか、混ざり具合がいろいろ違っていて、ポルトガル10というのはかなり稀なのです。美食を謳っている店だと、ポルトガル2:フレンチ2みたいに、ちょっと違ったものになってきたりするし。有名店でももうこれは中国8:マカオ2でポルトガル色全然ないけれども「ポルトガル料理」と名乗っている場合もあります。

マカオで有名なエッグタルトも、マカオ在住イギリス人のアンドリューさんが開発したものですから、ポルトガルのものとは違います(もちろん、あれはあれでものすごく美味しいけれども)。

マカオの店だからアフリカンチキンを置かないわけにはいかないとか、それなりにマカオ縛りがあるマカオのポルトガル料理と比べて、香港では一、外国料理。LKFタワーに5年前に出来たというこのお店、存在は気になっていたものの、なかなか訪ねる機会がなかったところ、昨日、新シェフの料理を披露するメディアランチに参加することができました。

エレベーターを降りたエントランスからとても素敵♪ こういうライト遣いにどうも弱い傾向があります(笑)ポルトガルの旗やアズレージョ(藍と白のタイル)がそれっぽい!

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そしてちょこっと入ったマカオでも(そして何故かディスカバリーベイでも)お馴染みのカサーダス=石畳!

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とっても広い店内は、落ち着いていて素敵な雰囲気です。

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そして「初めて行くお店だ」と少し緊張感を漂わせて入っていったら「ミヤコさーん」と呼ぶ声が。あれ?このお兄さんは! そう。よく取材しているチャイナタン(ブログでも、これや、これや、これなど掲載しましたね)で、いつもとても親切にしてくれていたスタッフの方ではないですか! 1カ月前にこちらに転職したそうです♪ 一気にリラックスしてしまいました。香港は本当に世間が狭いんですよね。

「日本人のジャーナリストが来るっていうから、きっとミヤコさんだと思って、確認したらそうだったから待ってたんだよー」と大歓迎。とても嬉しかったのが、チャイナタンを私が取材してどこかに掲載する度に、その後、多数の日本人のお客様がその記事を片手にやってくることが目に見えて分かっていたので、この店にもいつか来て欲しいなと思っていたんだ、と言ってくれたこと! 出版後の反響ってあまり私には伝わらない(好評ですよ、ぐらいはうかがうものの)ので、こうやってお店の方から話を聞くと、頑張った甲斐があったなあとしみじみしたりして。

さて。話が逸れました。ではいよいよ気になるお料理をご紹介! シェフはなんと香港に来てまだ数週間しか経っていないのだとか。ポルトガルの味をそのまま持って来ているけれども、唯一、アジアの味覚に合わせたのは、塩味を減らしていることだそう。

それはいろいろな料理に使われているお馴染みのバカリャオ(伝統的な鱈の塩漬け)の処理によく表れています。バカリャオをポテトとクリームと一緒にベイクしたこのCremay Bacalhau Cassoulet (90hkd)は、バカリャオがたっぷり入っているけれども、塩辛くなく程よいお味。バカリャオの塩抜きは、何気ないようで、とても手間がかかる作業で、バカリャオの食感を乱さず塩だけ抜くために、冷蔵庫で冷水に長時間浸すのだそう。そしてこのクリームバカリャオも、ボリューム感がとてもあるので、小さめの前菜スタイルにしてみたのだそうです。バカリャオって何となく、ほっけっぽいので、ほっけでこれを作ったら美味しいのでしょうか??

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そして出ました! みんな大好きバカリャオコロッケ♪(←普段は、小籠包に使うフレーズ)
これもバカリャオたっぷりで、ちょっとクリーミーなねっとり感のある今まで食べたことのないバカリャオコロッケでした。とっても美味です。添えられた自家製ガーリックマヨネーズも相性ばっちり! この日はワインでいただいたけど、やっぱりこれにはビールが最高に合いますよね! 100/4個

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こちらも日本人の好み直球な鰯料理。小さめの鰯はちょっとワカサギの天ぷらっぽいですね。岩塩とカリカリの皮とちょこっとした内臓の苦みがアクセントになって、カラーピーマンやタマネギの甘みととても良い感じに絡み合います。これもビールのお伴候補です!(たいして飲めないくせに語ってみる)120hkd

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じゃーん、これは伝統的な子豚の丸焼き(サックリングピッグ)! 中国料理でもよく出て来ますが、こちらのは全然脂っこさがなくて、肉の味がダイレクトに分かるのでとても美味しい。添えられたライスは、子豚のレバーとチョリソで料理しているのだそう! これは試さなかったけれども、添えられたオレンジを豚にすりつけてから食べると爽やかさが増すのだとか! 次回はやってみなくちゃ。280hkd

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こちらは有名なシーフード料理のカタプラーナ。カタプラーナというのは、この鍋の名前だそうです。蒸し焼きになったシーフードの旨みがたまりません。マカオでよく食べたのはスープがたっぷり入っていて、かなり煮込んでいたので、これは汁気が少ない分、旨みが逃げていなくて味が濃厚に感じました!!450hkd

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実は今回いちばん感動したのがダックライス。人気料理なのでマカオでよく食べていたものの、普通はとても脂ギタギタでお腹にもたれるので、正直今まであまり好きではありませんでした。こちらのダックライスは脂身が少なくて、ご飯が普通よりさらっとしていて、ちゃんとダックやチョリソの出汁がご飯に染みこんでいることが味わえて、いや、これは今まで食べたダックライスの中で一番美味しい! これならダックライスをオーダーしたくなります。お米はスペインのものを使っているのだそう。220hkd

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これも絶品!低温スロークックでほどよーい焼き具合の鱈。オリーブオイルや野菜との相性もばっちり! 250hkd

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森が目の前にある家で育ったというシェフのご家族に伝わる家庭料理だというこちらは、茸がたっぷり入ったリゾットにイベリコ豚テンダーロインがどっさり・・・・・・旨い! 茸のリゾットって、果てしなく日本人好みの西洋料理なんじゃないかと思います。ぬくぬくと心と胃と体が温まるお袋の(料理の上手な人限定、笑)味! 260hkd

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6人でシェアしているものの、これだけ食べてもお腹に全然もたれません!大地と海の恵みをたっぷり使う地中海の、ちょっと素朴なポルトガル料理はいいですねー!

デザートもツボ! これは柔らかいメレンゲを載せたかるーいパフペストリーの間に、レーズンと一緒にスロークックしたポートワイン付けの林檎(大事なので強調してみました、笑)を挟んでいます・・・・・・美味しくないわけがない組み合わせ。右はバニラアイスと、砕いたチョコレートクッキー。大満足。80hkd

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こちらはポルトガルの伝統的なエッグプディング(90hkd)。リスボンの15世紀に創設された修道院コンヴェント・ダ・ガラカに伝わるレシピなのだそうです(ポルトガルの修道院って秘蔵レシピが多いですよね!!)土鍋で蒸し焼きしたというこのプディング、もちもちとした食感が癖になる感じ・・・・・・似たものをマカオのカフェで食べたことがあるけど、もっとくどくて硬かった覚えがあって「へー伝統の味ね」という印象しかありませんでした。こ、これは美味しいです!!今すぐまた食べたい。

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フレンチやイタリアンと違って、素朴さがあるので洗練された美食としては扱われづらい(フランス人やイタリア人にかなり舐められている、汗)ポルトガル料理。でもこの気取らない、素直な美味しさ、プレゼンテーションも奇をてらってない程よいきれいさ。直球勝負でとても好きです。お店もギンギラしてなくてポルトガルの要素が良い感じに配されています。

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価格も程よくて、ランチセットは190hkd位なのだそうですよ。素朴でヘルシーな地中海の味(シェフの写真を撮り損ないましたが、とっても細身でした)! ときどきたまらなく食べたくなるポルトガル料理。本格的なものが香港で手頃に食べられるというのは朗報です♪ あー今日もう一回行っても同じものを余裕で食べられる気がする・・・・・・

ヨーロッパに住んでいたのに、ポルトガルというとリゾート地にちょっと行っただけな私。マカオやポルトガル料理やワインの取材を通じて、知らないうちに知識が結構頭にあることに気づき、とても不思議です。いつかリスボンをのんびり旅してみたいな♪

LKFタワーって、良いお店が多いですよね!







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