香港で「書籍の自炊」してみました♪①準備編

香港に6年住んですでに4回引っ越しをしている私(改めて数えてみれば、この15年で14回も引っ越ししていました、汗)。しかも代々、物持ちが良すぎて捨てられない女の家系に生まれた本の虫・・・・・・ということで、家が狭い香港で、引っ越しの度にどんどん増える本の箱。日本みたいにあちこちにブックオフとかないですから、わざわざ尖沙咀とか銅鑼湾の日本の古本屋に不要本をひーひー言いながら何十冊も持って行って、買い取り料全部で10ドルなんてこともありましたっけ。

そんなわけで数年前に、自分の手持ちの本を電子書籍化する、通称「自炊」なるテクニックについてネットで見た時には「これだ~!!」と感激。要は本をバラバラにしてスキャンするのですが、実質まともに効率良くやろうとすると、本ののり付け部分を一定のサイズで切り落とす裁断機、迅速にスキャンができるドキュメントスキャナー、それから作った電子書籍を読むリーダーという3つが、自炊の三種の神器として必要になるとのこと。

日本ではかなり流行っているせいか、アマゾンなどでお勧めモデルがすぐ買えてしまうわけですが、何しろここは香港。ちまたでは全然見かけない機種だし、日本に行った時に買って帰ろうか、などと思ったものの、当時イチオシとされていたプラスの裁断機は1台で14キロぐらいの重量があるそうだし、ものすごく収納場所も取る、ということで二の足を踏んでいました。香港在住日本人の方で、オフィスの近くにある(旺角)の印刷屋さんで裁断してもらって、日本から買ってきたスキャナーで自炊しているという話も聞いて、そこに本を持ちこもうかと考えつつも、どっさり本を抱えてMTRに乗ることを考えるとどうも気が進まず。そのうち自炊のことはすっかり忘れていました。

しかし数ヶ月前に、久しぶりにネットで自炊のことを検索していたら、自炊にお勧めの裁断機に小型のものが加わっていました(Carl Disk Cutter DC-210N)。これなら小さくて軽くて何とかなりそう! がぜん自炊をやる気になり、香港でとにかくできるようにするには? と調査を始めたわけです。

まずはスキャナー。富士通のスキャンスナップS1500というモデルがイチオシだと聞いていたのですが、香港でかなり大きいコンピュータショップに行っても、売っているのを見たことがありません。最後は富士通香港にメールで問い合わせたところ、湾仔の電脳城の中にある1軒でだけ取り扱っているはずなので、一応在庫の確認をしてみてください、とのこと。ちなみに「ところで何でこの機種のことを知ったの?」とメールの最後に書いてあったので、日本じゃ自炊っていうのが流行っていてねっと教えてあげました(はあ?とびっくりしたような返事がきたっけ)。

(教えてもらったのはここです→R&R  Shop 240, 2/F Wanchai Computer Centre, 130 Hennessy Road, Wanchai Tel : 2836 5088)

忙しくてなかなか電脳城に行けなかったものの、ある日ついに購入し、「こんな小さいんだ」とびっくりしつつ家に持ち帰り、ネットでいろいろと調べようと検索すると・・・・・・がーん!なんと新モデルが日本では発売されていたではありませんか(T^T)痛恨の旧モデル購入でしたが、とにかくこれをすり切れるまで使ってやるっ!と涙を拭いたのでした。

カード払いで3900HKD、日本より高い&旧モデルなのは悔しいものの、ひとたび使い始めると「複合機じゃない専用スキャナーってこんな凄いんだ」と驚くほど素晴らしい性能(速いし信頼性も抜群)で、自炊以外にもずいぶん役に立つことが分かり、まあ結果オーライです。

そして裁断機。これも香港で買いたいなと思って調べてみたところ、陶宝って中国のショッピングサイトで買うと日本よりかなり安い。上海の業者が香港からだと良さそう。しかしこれは中国の銀行口座を持っていないと使えないようだ(私が持っているHSBCじゃだめ)。じゃあ中国銀行に口座でも作る? お、セブンイレブンで陶宝用のプリペイドカードが買えるそうだ、何だかそれも面白そうだな、よし! と腕まくりをしたところで、「しまった、旧正月直前だから、中国なんかで頼んだら、いつ届くか分かったもんじゃない、下手したら行方不明になりそう」と気づき、日本のアマゾンで購入。何週間か後に香港に来る予定の母に持ってきてもらうことにしました。

リーダーは後で決めるとして、とりあえずの道具を揃えたぞ、ということで、ついに香港で自炊なるもの、たしなんでみることになりました(②に続く)。

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香港&台湾4泊5日クルーズ第一日目②充実のフルコースディナー♪

ブッフェで山盛りランチを食べ、船内施設をブラブラと見学してからキャビンに戻り、ちょっと休憩、とベッドに横になって気が付いたこと――ゆらーり、ゆらーりと優しく揺れるこの感じ、なんだかまるで揺り籠の中みたい。ついつい、うとうとしてしまう→起きる→またさんざん食べる→うとうと……恐ろしき「クルーズ=食っちゃ寝、食っちゃ寝」サイクルに気づいてしまった私たち、もう後戻りできないのだ!

そして、ついに指定された夜ご飯の時間、8:15がやってきました。最初は手違いで、2客室がそれぞれ違うテーブルになっていたので、レストランの受付で伝えるとすぐに同じテーブルにまとめてくれました。テーブルセッティングがしっかりされていて、イタリアンか中華のプリフィックスメニューから一人ずつ選ぶ仕組み(前菜は中華、メインはイタリアンなんて組み合わせてもOK)です。

ある日のメニューはこんな感じ。左がイタリアン、右が中華。
ある日のメニューはこんな感じ。左がイタリアン、右が中華。

これがとてもちゃんとしたお料理なんですね。十分美味しいし、盛りつけもきれいに工夫しているし、毎日同じスタッフが担当してくれて、彼女がとても親切で明るくていい感じ。しかも世界中の料理で子供受け度ナンバーワンのイタリアンですから、日ごろやや偏食気味の次男も上機嫌。スープ、前菜、パスタ、メイン、デザートまで毎日しっかり食べてしまいました。

以下は、同じ日ではないんですが、料理の写真です(食べるのに夢中で、全コースを撮った日がなかった!)。まずは左がイタリアメニューのスープ、右が中華のスープ。2013-02-16 20.53.172013-02-17 20.54.34

 

 

 

 

 

 

 

下は、左が中華メニューの前菜(餃子もイタリア風盛りつけで可愛く♪)、右はイタリアンの前菜で、ポークにマスタードソースだったかな?

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これは両方イタリアンメニューです、左がリゾット、右がペンネアラビアータ。

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下はメイン。これも両方イタリアン。左は兎のシチュー、右は鱈だったかな。外で観光するときに中華を食べるので、夜はイタリアンでちょうどいいかなっという感じで、割とイタリアンを注文する割合が多かった気がします。

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デザートもしっかりあります!子供たちはゼリーやシャーベットを良く頼んでましたが、私はついケーキを頼んでしまう~。ホームメイドな感じのほのぼのした美味しさでした。

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というわけで、「朝昼さんざん食べたから、今日は少なめにしよう」といいつつ、毎日毎日しっかりフルコース、最後まで食べてしまいました。

そういえば昔、コスタのイタリア人副社長さまに仕事でインタビューをしたことがありました。その時はアジア進出して間もない頃で、長年ヨーロッパ人向けにサービスをしていたので、「アジアでクルーズを実際出してみて『アジアのお客様はとても食事が何より大事』と分かったよ。だからとにかく食事を充実させている」と話してくださったのを思い出しました。ふむふむ。ついでに「ヨーロッパ人みたいにせっせと日光浴しないで、むしろ日光を避けようとするんだねー」なんて言ってましたっけ!

それにしても初日のディナーで、はたと「うちの子たち、ちゃんとしたレストランでフルコースなんて食べたことないぞ」と気が付いた私。メニューを選び方も、テーブルマナーも全然なっとらーん、って、普段行き慣れていないんだから仕方ありません。育ちざかりが3人もいるとねえ、家族でいくのはお財布に優しい気軽なお店ばかりになるもんですし(汗)。

ちょうど良い機会だと、ここぞとばかり「食べ終わってないときはハの字で、終わったら並べるんだよ」「前菜はこのフォークとナイフ使ってね」などなど、子供たちに教えまくりました。それにしても、とりあえず追加料金を考えずに、毎日6人でフルコース食べまくりというのは、とってもありがたいものでした、はい。周りを見ると、うちもそうですが三世代とか下手すると四世代?というような家族連れが多かったです。相当高齢なお爺ちゃんお婆ちゃんも、船の中だと何かと楽なんでしょうね。

そして、このディナータイム。ただ食べるだけでなく、ものすごーくいろいろお楽しみがあったんです。それは細かく別の回にお話しましょう♪

ということで1日目、終了? いや、それも実はまだまだしないんですが、また次回に続きます~\(^O^)/

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香港&台湾4泊5日クルーズ 第1日目①乗船&キャビン

コスタ・クルーズのカタログです♪
コスタ・クルーズのカタログです♪

以前から時々仕事でお世話になっているイタリアのコスタ・クルーズ社。去年の年末からはクルーズの日本語版パンフレットの製作をしていたせいで、14隻あるクルーズ船の名前や設備から乗船ルールまで、やたら詳しくなっている割に、私本人はクルーズというものを経験したことがありませんでした。たまたまタイミング良く香港発で前から行きたかった台湾に行く手頃なコースがあるというので、日本から母も呼び寄せて家族で参加しました。

 

乗船、そして初ブッフェ

「香港でクルーズ船といえば尖沙咀のオーシャンターミナル発。すぐ近くの映月樓で飲茶でもしてから乗るか」などと算段していたら、「今回は荃灣出発になったから、オーシャンターミナルで荷物を預けてから送迎バスに乗ってね♪」と一週間前に連絡が。たまたま同時期にクルーズ船が多数停泊していたからでしょうか?

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荃灣港に到着。世界中からのカーゴの山。

尖沙咀からバスで30分弱で荃灣港に到着。世界中からのカーゴが集まる港なので、ひたすらコンテナの山。「コンテナに載せられたりして」などと笑いつつ船へ。とても簡単な出国審査の後、全員顔写真を撮影して、もちろん、きれいどころの女性乗組員二人と一緒の乗船記念写真も撮影。乗客はほぼ全員中国系の方(香港人だけでなく、深センなど広東省方面から来ている方もかなり多い模様)。うちの夫は頭一つ出ているせいで、あとでこの記念写真が船内に貼り出されたら、私たちの前に撮影した少なくとも3家族分ぐらいの記念写真にしっかり顔だけ参加していました、あはは。

さて、私たちが乗船するコスタ・ビクトリア号、見上げると首が痛くなるほど巨大です。デッキが14あって、総トン数75,000トン、船室数964室、最大乗客数2,394人(何しろパンフレットを作ったので、やたら細かい数字に詳しくなってしまった、^^;)。

さあ、すべて手続きを終えたら、いよいよ乗船! ワクワクしてきますね~♪

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船内に入ると何となく流れに乗って、プールがあるデッキ11でウェルカム・ブッフェランチ。中華からイタリアン、ハンバーガーまで幅広い選択肢があります(息子達の皿は、選択肢があったとは思えない、ハンバーガーとホットドッグとフライドポテト、オンリーでしたけど)。乗船中はディナー以外ブッフェだったので、好きなものばかり選べるわ、私からの「野菜もっと食べなさい」攻撃をかなり回避できるわで、嬉しそうな息子達・・・・・・。

海上に浮かぶ巨大リゾートホテル?

食後にキャビンへ。荷物は部屋に届いていました。今回は6人で参加なので男子、女子で2部屋に分かれて、女子部屋は母と私と娘。2段ベッドのようになっていて、娘が上に寝ることに。小さいながらいかにも船っぽい円い窓がいい感じ。出航は4時ということで、船の中をうろうろしてみることに。2013-02-16 13.54.56とにかくずらりと客室が並び、延々と廊下が続き、レストランなどの他にシアターやプールやSPA、バーやクラブやそしてカジノもあって、窓がない空間がかなりあって時間が分からなくなったりして、どの目的地でも着くまでひたすら歩くこの感じ、何だか覚えがある・・・・・・。そうだ、マカオのヴェネチアン・ホテルです。実際にはあちらは3,000室あるし遙かに広いのですが、あれが海に浮かんでいるようなイメージ。あそこの廊下でもそうでしたが、足を踏み入れた途端、「走らな・・・・・・」と言い終わらないうちから息子達は全力疾走で、あっという間に視界の彼方に消えていったのでした。おいっ(–;)

救命胴衣を着けて指定の救命ボートの乗り場に集合する避難訓練を終え、うろうろしているとアフタヌーンティーブッフェがあることに気づき、ケーキやクッキー食べ放題(ここで旅行中の体重変化への恐ろしい予感・・・・・・)で子供達大喜び。予定時刻からかなり遅れて出航したので、屋外デッキから外を眺めることにしました。
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ここで初めて気づきましたが、クルーズ船って遅いんですね。トットットットと、自転車なら追い越せそうな(私には無理か)感じ。そういえばパンフレットには巡航速度22ノットと書いてあったっけ。これは時速40kmということで、のんびりなんですね。まあ急いで目的地に行くのが目的じゃないということか。

快晴で風もないので、まるで湖のような海。ゴツゴツとした香港の島々の間を通り過ぎていくのを、デッキで一杯飲みながら眺めるのはとてもいい気持ち。やっとホリデー気分になってきました。今日、明日は1日中船の中で、台湾に着くのは3日目の予定。さて、どんな旅になるのでしょうか??

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不思議なワニ集団、中環に現る




先日、IFCモールを抜けて、娘のつきあいでH&Mに行こうと中環の地上通路を歩いていたら、面白い展示があり、ついつい釘付けに。50周年を迎えたブランドCrocodile(香港発祥だとは知りませんでした!)のイベントで、同じワニをさまざまなクリエイターが思い思いの姿に変身させているもの。何だかやりたい放題だし、派手だしで、かなり楽しめました。

 

例えばこんな思い切り香港ローカルなお方、というか意味不明? なぜそこに蛋仔と茶葉蛋がある? ワニそっちのけ。

 

 

 

こちらも香港らしいお方。このビニール&布を合わせた生地って香港のおじさんが作ったそうですね。安くて丈夫なので買い物袋や工事現場のカバーまで幅広く使われていて、一種香港の象徴としてよくローカルアーティストが題材に使っているのを見かけます。そういえばルイ・ヴィトンにもこれそっくりな生地のバッグがあったけど、あれはパロディ?

 

 

 

こちらはゴージャス系。英国統治時代を思い起こさせ・・・・・・ません(笑)。

 

 

 

ゴージャス過ぎて、ケースに入れられてしまったこのお方。目つきも心なしか流し目でマダムっぽい!?

 

 

 

 

 

怪しさナンバーワンはこれ。中華風悪人サンタがワニに乗ってクリスマス? こっち来ないで(笑)

 

 

 

 

 

 

香港の道路標示を身にまとったこの方は、ストリート系代表ということで。

 

 

「ママ、いつまでワニ撮ってるの。早くH&M行こうよ」と娘に怒られつつも、まだ撮り続ける私。

 

 

「このステゴザウルスの皮をまとったワニめ!」と怒られるのでしょうか?

 

 

 

 

 

 

こちらも香港らしい(笑)二匹。見えにくいですが、手前はブルース・リーと香港映画界に身も心も捧げたワニ、後ろは饅頭祭に行きたくて仕方ないワニ。

 

 

 

まだまだ色々ありまして・・・・・・めくるめくワニの七変化をお楽しみ下さい♪



*****本ブログの電子書籍「香港ときどきマカオ Vol. 1」が出ました!*****
お勧めの広東料理店、クリエイティブ点心、ローカルご飯など、香港ならではの食に加えて、美と健康、老舗での買いもの、最新バーなど幅広くカバーしています。ぜひ次の香港の参考にしてください。詳しくはこの記事を参照ください→次の香港旅の参考に!電子書籍「香港ときどきマカオ Vol. 1」(サンプル記事入り)

蘭桂坊のスタイリッシュ隠れ家「法租界」その2




さてさて、いよいよ昨日のお料理をご紹介!
法租界で注文できるのは、月替わりのコース1種類のみ。アルコール類は持ち込みです。

1) Diamond. Indulged Octopus
タコと一緒にグラスに入っているのは、紹興酒と梅のゼリーに焼き海苔。混ぜ合わせて食べると何とも言えない潮の香りが口の中に広がります。

2) Shrimp Roe. Pickle C. Pickle J. Sanuki
あら、パスタ?と思ったら、実は冷たい讃岐うどん。海老味噌風味で、プレートに添えられた日本のたくわんと中国のザーサイなどを混ぜ合わせて。彼らは讃岐うどんが大のお気に入りで、以前に取材した時も違うメニューで使っていましたっけ。ちょっと和風パスタっぽい味わいで、同席者は一様に「これ、家で作れるかしら~」と研究してました。

3)Lion. Swallow. Crab Meat
ライオンが蟹肉を飲み込んだ!?という名前通り(じゃないか)、一瞬小龍包かと思いきや、外側は湯葉で、内側に季節の上海蟹の肉を使っています。スープは上湯だったはず。




4)Porcini. Sticky
今回、私が一番気に入ったのはこれ。よく蟹と一緒に料理されている上海餅に、季節のポルチーニ茸とトリュフソースを染みこませてあります。ボリュームたっぷり、ソースは濃厚、豊かな風味。

5)Diana Spicy Slow-cooked Beef. Wonton
ポールさんのお料理上手な叔母様秘伝のスロークックビーフでシグネチャーメニューの1つ。脂身が完全に落ちつつも風味は残って食感は柔らかい。ゼラチン部分が豊富で、コラーゲンたっぷり。「上海料理って脂っこいのかと思った」と同席の方。確かにレストランだとそういうイメージがありますが、そういえば料理上手な上海人のお友達の家でもこういうのをいただきました。家庭料理は本当にヘルシーなんですね。雲呑は南瓜ペーストとカラメライズしたタマネギ、少しスパイシーな味付けで、甘さと辛さのバランスが◎。

6)Ice. Burn. Little Spheres.
このシャーベット、フレッシュライム味で、口に入れたとたんにシャキッと目が覚めました! リンゴソースに、小さなドーナツ付き。

この環境で楽しく珍しいお料理をたっぷりいただいて、一人580HKD、サービス料なし。

完全オープンになったキッチンでは忙しく準備する様子がよく見えますが、6月に来た時よりも人数が増えている。なんと名門フレンチのCapriceの元シェフも最近参加したのだとか。自由奔放にメニューを考案して、お料理ともてなし好きな仲間達で一生懸命作ってサービスして、それが人気を呼んで・・・・・・そんなシェフ冥利に尽きるサイクルができあがってきたのか、お店の誰もが忙しい中、嬉しそうにテキパキ働いていて、またそれが良い雰囲気を作ってくれて、こちらも居心地が良くなります。

今回はお世話になっている方のバースデイディナーだったので、珍しがって喜んでいただけて、大成功でした♪ メニューが変わった時にまた訪ねたいお店です。

Information
法租界(Fa Zu Jie)
1st Floor, 20A D’ Aguilar Street
Central, Hong Kong
Tel: 3487 1715
ディナーのみ/支払いは現金のみ




蘭桂坊のスタイリッシュ隠れ家「法租界」その1




フィガロ10月号の『超級リュクス香港』のために取材で訪れて以来、個人的にぜひうかがいたかったこの店に、昨日ついに再訪がかないました。

「上海のフランス居留区」を意味する名前からも想像できる通り、上海料理をベースに、フレンチのプレゼンテーションで、イタリアンや和食などの食材も織り交ぜた、個性的な料理を出す法租界。今年の4月頃オープンして以来評判で、最低でも1ヶ月前には予約しないと入れません。夜のみのオープンで、今回はキャンセル待ちで粘って、直前にテーブルをゲットしました。

この店のコンセプトの1つが「驚き」。何しろまず、蘭桂坊のど真ん中にありながら、香港にいくら長く住む人でも簡単には見つけられないのです。屋台のおじちゃんや近くのバーのお兄さんに聞きながらやっと建物の入り口にたどり着いてからも、

「確かに住所はここだけど・・・・・・」

「まさか、ここを入るの?」

「看板もないし、なんだこの汚い階段は。怪しいなあ、大丈夫かしら」

と不安が募る一方。

最初に行った時は、「記事に紹介する候補として」下見だったので、「インテリア写真はきれいだったけど、こんなところ紹介して大丈夫なのだろうか」とますます心配になりました。

しかし心配もそこまで。

看板も何もないドアを開けた途端に「うわあ」と驚きと喜びが広がります。白を基調にした洗練されたモダンなインテリアは、センスのいい友人の家に遊びに来たような感覚。

「ハーイ、美也子、久しぶり!」

と大歓迎して下さったシェフのポールさんは、つい最近まで、元広告会社の敏腕クリエイティブ・ディレクターだった方。上海出身でレストランを経営していたお父様の影響を受け、小さい頃から料理が好きだったというポールさん。徐々に料理への情熱が高まり、会社に入ってからも、普段の休日はオリジナルメニューの開発にいそしみ、数週間の年休を使ってフランスのコルドンブルーやイタリアに料理修業に行くという生活を何年も送っていたとか。

しかしクリエイティブ・ディレクターとして大活躍していたこともあり、「いつかは自分の店を」という淡い夢のままで終わるかも知れなかった想いが実現したきっかけは、思わぬ病にかかったこと。

「人生、いつまで続くか分からない、今やらないといつかはないかもしれない」

そんな気持ちにかられて、ついに退社を決意。以前からレストラン経営の話をしていた大学時代の友人であり、投資銀行でバリバリに稼いでいたクリスさんなどと一緒に、この「法租界」をオープンするに至ったのだとか。

そんな仲間たちが思い描いていた理想そのものの、この立地を見つけたのは大変ラッキーでした。もともとは近くのバーの倉庫として使われていたというスペースを改造。上海やヨーロッパで集めてきたアンティーク家具やデコレーションを駆使した素敵空間が誕生しました。

「道に迷ったり、心配になったりしてから、ここを発見して驚き喜ぶ。そんな『冒険』が法租界のコンセプトなんだ」とクリスさん。

その驚きと楽しみのコンセプトは、もちろんお料理にも貫かれています。ではでは、次の回ではお待ちかねのお料理を紹介しましょう~♪   →その2へつづく




Lady Gagaも泊まった、リッツカールトンスイート




世界で6番目に高いICCの最上階部分を占めるリッツカールトン香港。あっと驚く立地と、安定感ある一流のサービスという最強のコンビネーションで、相変わらず話題を集めています。

取材でも何度もお邪魔しているのですが、今年の6月末にフィガロの取材でうかがった時は、台風一過の凄い晴天と、広報の皆さんのきめ細やかな協力で、カメラマンの方には素晴らしい写真を撮影していただくことができました。

さて今日、紹介するのは、フィガロの「リュクスな香港」というテーマに沿って、取材の過程で見せていただいたものの、あまりにも豪華過ぎて紹介できなかった「リッツカールトン・スイート」です。5月にLady Gagaが香港公演した際にこの部屋に泊まったことが話題にもなりましたっけ。

1泊約100万円というこのスイート。天気のいい日の絶景はとんでもありません。対岸のIFCが小さく見えること!


まるで香港の景色が模型のように。私が住むランタオ島までくっきり見えました。


絶景を見ながらの広いお風呂。夜景だとさらに強烈なはず。

 


化粧室とリビング。


ダイニングルームと書斎。

どこを向いてもとんでもない絶景に、やがて感覚も麻痺・・・・・・正直、「もう絶景はしばらくいいや」とお腹いっぱいになるほどでした(笑)




香港ゴミ箱の旅 その2

その1が大好評だったので(ウソ)、早くもその2が登場!

今回はシチュエーションにこだわったゴミ箱の旅を!

これは最新コレクションの1つ、ピーク広場にあるゴミ箱です。背景が雄大かつ自然に溶け込んでおります。

これは南ランタオの長沙ビーチの隅にあったゴミ箱たち。ワイルドな環境の中、頑張っています。

尖沙咀のプロムナード脇にやってきた派手派手な船をじっと見つめる黒いゴミ箱・・・・・・ひとり何を思うのでしょう?(注:変な人ではありません)

 

「あ、これ知ってる」という方も多いのでは? 銅鑼湾IKEAのカフェにありました。

こちらはものすごいレアものです。オーシャンターミナルに停泊中だったクルーズ船、コスタ・ビクトリアを見学した際にデッキで撮影。動かないように縛られていますね。

 

こちらは番外編。湾仔スターストリートにあるゴミ収集場。まるでモンドリアンのような素敵なデザイン!?




香港ゴミ箱の旅 その1

一応、日頃ギャラをいただいて原稿を書いているワタクシが、自分でブログを始めたのも、「雑誌などに掲載できる情報が限られているので、そこからはみ出す内容を書く場を作っておきたい」と考えたからです。

そんな中、ふざけ半分にフェースブックで友だちとグループを作って遊んでいるうちに集まってしまった、恐るべきコレクションを自分が持っていることに気づいたのです。で、これは絶対に、どこかの女性誌に載せていただくことはできないでしょう(涙、涙)

それは・・・・・・既にタイトルについてますが、香港で集めたありとあらゆるゴミ箱の写真です。取材中、旅行中、街歩き中、ゴミ箱を見かけるとつい写真を撮ってしまう私を見て、仕事仲間や家族にどれだけ不気味がられていることか。

しかし、世の中にはこんな下らないことをする人がいたっていいはずだ!と言い聞かせて、コレクションの一部を公開することにいたしました(前置き長いです)。

どのように分類するか迷いましたが、まず第一弾は・・・・・・何となく気に入ってる写真にしましょう!

「家のおもちゃ箱にしたい!」と大好評のゴミ箱は、ハッピーバレーにある香港フットボールクラブのもの。子供のサッカーの試合でよくお邪魔します。

これは水上生活者がまだいる昔ながらの漁村、大澳のゴミ箱。乱雑な中にもしっかりとした存在感のある、逞しい漁師を思わせる(汗)ゴミ箱です。

 

取材で寄った銅鑼湾の雑居ビル(女優のヒラリー・ツイさんが経営するブティックが入っています)のゴミ箱。ドアがレトロで良い感じ。香港らしさがありますね♪

 

これは東涌から大澳までハイキングした途中で見つけたゴミ箱。円形の模様が月餅みたい♪と好評でした。

ホンハムの忙しい通りに佇んでいた赤いゴミ箱。近頃薄まりつつある英国の香りがかすかに漂うデザインです。

実はこんな写真が100枚以上あるんです・・・・・・変な人だと思わないでね♪ (遅い?)

その1だなんて、続ける気まんまんですね・・・・・・
ちなみにフェースブックのグループでは、ヨーロッパやアメリカ、日本などに広がるゴミ箱隊員のネットワークのおかげで、さらにすごいコレクションになりつつあります。どうしても見たかったら(笑)そのうち皆さんにお願いしてアップさせてもらいましょう~




香港人はどこへ行く?




来たばっかりと思っているうちに2006年に香港に来て早6年。短いようでいて、香港もそれなりに変化を遂げていることをひしひしと感じます。

幸運にも比較的すぐフリーライターの仕事を始めることができて、最初の頃に担当したのが「返還10周年」に関係する記事。この頃は2003年におきたSARSパニックの名残が今よりも香港に残っていて、「SARSの時、どうしていた」という話題が周囲で頻繁にかわされていました。別格に長い方達は別として、その頃いた駐在員のメンツもかなり入れ替わりました。

★そういえばこんな記事を書いたのが出てきました 2007年7月16日付け朝日新聞国際版リーマンショック直前でかなりイケイケドンドンな頃でしたっけ。

SARSでどん底まで落ちた香港経済を救ったのが、実は中国中央政府。ビザ取得を容易にしたことで、憧れの大都会香港に中国本土人観光客が押し寄せ、一方で香港企業の中国本土での事業展開を優遇する仕組みも作られ、景気回復に一役買ったそうです。

その頃から香港人と中国人の文化の違いから来る軋轢は始まっていましたが、かつての英国植民地の面影というのは相当薄まってきており、英語が通じない/話せない香港人もどんどん増えています。愛国教育など導入を慌て過ぎて大きな反発にあってはいますが、尖閣問題のテレビでの報道の仕方など見ていると、社会システムとしては着実に香港と中国本土の融合が進んでいるのを感じます。

その一方で、最近取材を通してとても強く感じるのが、中国や香港に根を持たない無国籍な香港人が活躍している、という印象。とにかくここのところ「国際都市香港」を体現するような新しくて突き抜けて洗練されているレストランやショップを訪ねる度に、若きオーナーは20代で、海外で育って働いて、最近香港に戻ってきて事業を始めたと、聞くことが多いこと、多いこと。また仕事で会う人達も、6年前と比べて広東語よりも英語が得意な外国帰りの香港人が非常に増えた気がします。

どうも彼らは、返還時に大挙してカナダなどに移住した家庭の子供たち世代のようで、ちょうど彼らが社会の第一線で働く年頃になってきたのでしょうか。

内側が中国化する一方で、今まで以上に無国籍な感覚が一部には広がっている。そこから生まれるうねりは正のエネルギーになるのが、負のエネルギーになるのか? あと35年を残すだけになった一国二制度の猶予期間も終わりに近づくにつれて、ますますうねりが激しくなっていくはず。

今後、香港の着地点はどこにあるのでしょうか? 先行きは果てしなく不透明なままですが、日々、歴史が着実に動いている感覚があります。実際のところ可能なのか分かりませんが、香港の良さが失われないことを願ってやみません。




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