街歩きの途中にふらりと立ち寄りたい素敵なカフェが続々とオープンしている香港。
中でもコーヒーの美味しさとフォトジェニックな雰囲気で最近人気が高いのが、ガラクタ街として知られるキャットストリートことUpper Rascar Row (摩羅街)の脇道にある、このHalfway Coffee。
とにかく目を惹きつけられるのは、何と言ってもずらりと並べられた香港のビンテージ食器の数々。
もうこういう食器好きにはこれだけでたまらないものたち。そして大切にされていることが何となく伝わってきます。
かつてビクトリアハーバーに浮かんで大人気を博したアヒルちゃんも、香港では、今ではちょっと甘酸っぱい思い出になっています。
さてさて、このカフェがこんなにビンテージ愛に満ちているのは、オーナーのトミーさんがビンテージコレクターだからなのです。
こちらがトミーさん!実は前号のフィガロでこちらを紹介していまして、取材を申し込もうと見つけた電話番号に電話をかけたら、あれ?番号が登録されてる?前にあったことがある???と一瞬考えて、「あーーーー!」と思い出しました。
そうそう。前はこれまた人気カフェのCommon Groundsの店長さんだったんですね、トミーさん。フラウで取材したときに対応してくれて、「前にほら、日本の雑誌に出てくれたよね」と言ったら「これ?」ってすぐ自分の写真が出てきました(笑)。
Common Groundsにも素敵なビンテージカップ&ソーサーが置かれていて印象的だったのに、数ヶ月前にCommon Groundsに久しぶりに行ったら、ビンテージカップおかなくなったんだ~と、そう言えば思っていたんだっけ。独立して、ついに自分の思い通りのカフェをオープンさせたんですね、と合点がいきました!
なんてばかり言っていないで、コーヒーをいただきましょう! いやーこれがまた、丁寧に淹れてくれてとっても美味しいんです!そして絵になりすぎる!
愛犬を連れた方がよく座るという裏側の席。なんとなく黄色いチャイナドレスを着た物憂げな女性がここに座ってコーヒーを飲んでいる姿が目に浮かびました。美人に撮れること間違いなし!
こちらは、とにかく暑い別の日に別の取材で周辺をうろうろしていて、コーヒーブレイクに入ったときに淹れてくれたコーヒー。スペシャルなカップを使ってくれたそうで、なんだかゴージャスです。
このにじみ出てくる温かさと感じの良さは、オーナーの人柄でしょう。本当に食器愛が強くて、ベンチ席の下に、割れてしまったカップを捨てられずにしまっている箱があって、これも何かに使えるといいなと思ってと、少し悲しそうに見せてくれました。
そしてトミーさんはビンテージ食器愛だけじゃなくて、香港の文化への愛も深いのです。手作り感満載の店のなかで、お会計のところを、昔ながらの商店にあった集金バケツ?のようなものを取り付けていました。
こちらはオリジナルではないけれども、お店の雰囲気と最高にマッチしているテイクアウト用カップ!
カップが足りなくなったら隣のビンテージ屋さんで買い足せて便利だよ、とトニーさん。そしてシルバーの看板も、すぐ近くの老舗の金物屋さんで作ってもらったとか。
週末には行列ができたりもする人気店。私はだいたい午前中早めに行ってのんびりしています。コーヒー以外に、ハーブティーや中国茶、スムージー、デザートなどもあって、どれも美味しいのです。
愛さずにはいられないカフェ、ぜひ訪ねてみてください。