アートに溺れるシャンパンブランチ@BIBO

香港の今を感じさせる店を紹介して、と言われた時に必ず頭に思い浮かぶ1つがこのBIBO。

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毎年開催される度に大きな話題となるアートバーゼルを筆頭に、強まるばかりのコンテンポラリーアートの存在感。

骨董街のハリウッドロードや、ガラクタ街のキャットストリートに面している、East meets West、温故知新を感じさせるロケーション。

「フランスからやってきた幻のトラム会社の跡地」という変テコなバックストーリーと、看板もない隠れ家的デザイン。

何度訪れても、ドキドキワクワク、「この扉、どうやって開けるんだっけ」から始まって、わっと扉が開いた時に洪水のように押し寄せるアート、アート、アート。

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整然と順序だって分類されて見やすく理解しやすく置かれている美術館やギャラリーとは違う、いわばてんこ盛り的な、どうだ!参ったか的な。

一つずつにすごいパワーを持つアート作品に、視界を全部雑多に埋め尽くされていくときの不協和音寸前のハーモニーが生み出す、摩訶不思議な空気感。

・・・・・・このインテリアの中に身を置くだけで、すでに満足してしまいそうですが、BIBOの魅力を知るのはここから!

インテリアに負けない華やかさのある料理と、ものすごくスタイリッシュなのにカジュアルというバランス感覚。最近香港を久しぶりに訪れた人たちが、こぞって「かっこいいけれどもかっこつけすぎないで、肩の力が抜けている感じ、こなれている感じが新鮮」と言ってくれることが多くて、改めて、そうか!そうなんだ!と気づかされたところです。

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さてさて、これも今の香港で一大ブームになりつつあるのが、ウィークエンド・シャンパン・ブランチ。大きなプロジェクトの合間ののんびりした土曜日、ブランチを目当てにBIBOを訪れました。

バーやラウンジのエリアもとてもお気に入り。

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さて。こちらのシャンパンブランチ。メニューは2種類。

フリーフローのブランドが、ドンペリかルイナールか、という2択です。

ルイナール、全然知らなかったのですが、1729年に創業したという最古のシャンパンハウス。以前はフランスの国内でしかほとんど流通していなかった小さなレーベルなのだそう。それにしてもボトル一本の市販価格とこのブランチの価格、ほとんど変わりません! 私みたいに対して飲めない人も来るから、元が取れるのかな?

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とっても親切だったウェイターさん。照れまくりながらシャンパンをついでいるところを撮らせてもらいました♪ シャンパンラバーなお友達だったらもう、こりゃ超ご機嫌だろうなーと顔がいくつも浮かびました!

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このクロワッサンもとっても美味しかったー!!ここで食べ過ぎないように注意♪

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さあ!それではいよいよ食事の時間です。私は、今まで撮影で何度かいただいたことのある、このサラダをきちんと食べたくなりました。新鮮な野菜のさくさくっとした食感と、中にとろりんとしたブラッターチーズが隠されていて、香ばしい黒トリュフドレッシングのコンビネーションが鮮やかです。

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こちらもブラッターチーズ入りのラビオリが入ったスープ。ブラッターチーズとは、モッツァレラチーズで作った巾着のような袋に、半生なチーズとクリームが入っている濃厚なチーズ! 噛むと巾着が破れて、中からとろりとした美味しさが口に広がります。日本ではなかなかお目にかからないものだそう。

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十分にファインダイニングなお料理だけれども、気軽にシェアさせてくれる雰囲気も好き♪

さあメイン。夫はシーバス。

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私は大好物のステーキタルタル。濃厚で文句なく美味。見た目よりもずっとボリュームがありました。全体に量はほどよく、いろいろな味を食べられて大変満足。

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デザートは、アールグレイのすきっとしたスポンジとアイスクリーム!

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甘いものが好きではない夫はチーズプラッター。これも美味しい!

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気分のいいブランチの締めくくりはコーヒーで。

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DJのいるブランチ。

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オープン当初からここにいた巨大KAWS君。しょんぼりと寂しそうな姿だけど、どこかユーモラス。しばらく岳敏君のニカニカおじさんの像に入れ替わっていましたが、今回戻ってきていました。なんでも鼻が壊れて修理中だったとか!本当かな? 根暗なのに見ていると癒やされるのは、まるで彼が周囲の寂しさを吸い込んで、1人背負い込んでくれているからかな、なんていう気がしました。

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この窓がいつも印象的で。たまに動物園のように外からガラスに張り付いて中を見入っている人もいます。ま、どちら側が動物で、どちらが人間なのか、見られる側と見る側が分からないシチュエーションもまた面白い。

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九龍皇帝のバイクも戻ってきていました。この店でカメラ片手に放流されると、もう席に全然戻れなくなります。どこを見ても面白いアートだらけ!そして外は、あのキャットストリートなのです。

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外と中のギャップに加えて、雨模様の土曜日のゆるい午後。水槽の中の金魚になったような気分を遮るものが一切ない、ゆったりとしたブランチ。シャンパンでほろ酔いに。記念日というよりは、気合いを入れすぎない、何でもない午後に訪れて、非日常的な小さな幸せを味わって欲しいような気がします。

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