香港に来て11回目の冬、まっただ中。香港の冬の寒さは毎年バラツキがあって、この冬はかなり寒い冬。私の基準では「ロングブーツ、カシミアセーター、厚手コートやジャケットの出番が多い=寒い冬」なのです(年によっては出番が一度もなかったこともありました)。
ということで香港の寒い冬に嬉しい伝統料理と言えば、蛇スープ。この冬はいつもに増して、これを何回もいただく機会がありました。
場所は中環のエスカレーター脇にある、1895年創業の蛇王芬飯店。実はこちらの四代目オーナーのジジさん、お店を継ぐ前には新聞記者だったため、今も食のインフルエンサーであり、いろいろな試食の席にやってきます。それですっかり仲良しになったのです♪
蛇肉には体を温める効果があるので、寒くなったら蛇スープってとても一般的なのです。蛇と聞いただけでダメ―!っという人もいますが、実際に食べるとチキンにかなり近いかな。生臭さはほとんど感じません。ほのぼのと温まってきて、体にいいものを食べた満足感に満たされて大好きです。
こちらでは蛇は上環の蛇王林から仕入れているそうで、子どもの頃、よくお父様に連れられて蛇王林に行ったよー、とジジさん。
蛇スープ名人が編み出したという5種類の蛇を使った伝統レシピがベース。
そして蛇だけでなく、干しアワビ、鶏肉、生姜、茸、キクラゲ、花膠こと魚の浮き袋も使われているので、ヘルシーでキレイになる成分がどっさり具だくさん。蛇スープはこのお碗サイズで120HKDです。
とにかくここは毎日のように通る場所だし、中環は彼女の生まれ育った庭ですから、道でばったり会うこともよくあるんです。まさに中環小町なジジさん。おなじみの春回堂薬行のマーティンさんも、子どもの頃から知ってる!って。すぐご近所ですもんね。
これは昨年末、お昼どきに店の前でばったり出くわし、「あら美也子さーん、蛇スープ飲んでいく?」とランチをご馳走になってしまったとき(なんて幸せ者なワタクシ。ね、狙ってませんから、笑)。
このときは2人でささっとランチだったので、蛇スープの他に、ダブルボイルドスープも試させてもらいつつ、ふわっふわに仕上がった「滑蛋炒蝦」190HKD(このまま白飯に載せたら天津丼に近い?)。
そしてこちらも人気の定番料理、蛇汁に浸けた蒸し鶏と叉焼豚との盛り合わせ。130HKD。とても新鮮な豚肉を使っているのが自慢なのだそう!
チャイニーズソーセージこと臘腸も一緒に。
ほくほくと丁寧に何でも作られていて家庭的。古き良き広東料理のおかずが美味しく食べられるということで、ランチタイムは近所に住む人や働く人、とにかく香港人のお客さんでいつも満員です。
このレトロなムード!素敵です。
先日は旧正月前に特別料理をいただいたので、またその様子は別のブログで!
<詳細>
住所:G/F, 30 Cochrane Street, Central, Hong Kong
香港中環閣麟街30號地舖
電話:852-2543-1032
営業時間:11:30~22:30
定休日:なし