ライチーコクの大公館で古き良き香港の味を楽しむ(~5月末まで)




先日、久し振りにライチーコクの大公館の広東料理店萬慶での、期間限定の新メニューの試食に招かれました。

いつも本格的で美味しさに間違いのない店での、今回の新メニューというのが、「昔懐かしい広東料理」を揃えたというもの。昔の料理を知らない私にとっては、その古さが斬新に感じますから、ものすごく楽しみな内容です。

さてさて、なぜ昔の味が消えつつあるかというと、たいていは「下ごしらえにも調理にも、手間がかかり過ぎる」という理由だとか。なので、この日はメディアを招いてたくさんのアイテムを一気に作るということで、キッチンにも緊張感がみなぎっていたようです。

まずは点心から!

お馴染みの粉果!豚肉、クズイモ、潮州の干しオリーブ橄欖菜という組み合わせ。ふむふむ!美味しい!

少し透き通った粉果の皮が美しく作られていて、腕の良さが分かりますね。

この辺からは、蓮香居や蓮香樓の飲茶で食べたことがあるかも、というのが続きました。やはり古いスタイルなので、他で食べられないよ!とよく言われたのは本当だったんですね♪

実はこの辺、ものによってはもう手間がかかりすぎて、一品料理のかなり後に出てきたりしてました。左から鶏肉、茸、叉焼豚、海老、うずらの卵が入ったパン、ダックとポーク、タロ芋の湯葉包み、鶏肉と魚の浮き袋の蒸し物などなど。いや、すごいです。

さあ、いよいよ一品料理!これは鴨の脚肉を叉焼豚と鶏レバーでくるみ、蜂蜜ソースをつけて焼いたもの。ずいぶんいろいろな食材が入っています。昔の料理はレバーがよく使われていますね。日本だとレバーは鉄分豊富で体にいいと言って食べていた気がするのですが、香港だとカロリー高くて太る安い食べ物というイメージのようです。私はレバー大好きなので、この手のものは大歓迎!

豚の肺のダブルボイルドアーモンドスープ! 実は最近アーモンドアレルギーになってしまったので、これは食べられず(涙)

これは以前に唐閣とか、いくつかの場所で食べました、コインに似ているので金錢蟹盒なのですね。豚の脂で具を包んで揚げるそうなのですが、これまたとても作るのが難しいそう。

鴨のマリネを揚げて、パンケーキに包んで食べるもの。副菜についていたマンゴーの甘みがとても合いました。ちなみにマンゴーを合わせるのは、昔ながらではなく、やはり今の時代に合わせて少しアレンジしているそうです。

おお、次に出てきたのは、鶏の丸焼き? と思いきや。




餅米がたっぷり詰まってます! 鶏の骨はすべて取り除かれていて、まるでイカめしのようですが、これもきれいに取り外して形を保つの、難しそうです!! 子豚の丸焼きにご飯が詰まっている料理は前にChina Tangで食べたけれども、鶏は初めてみました。干しエビも入って、ご飯に出汁が染みこんで最高でした。この日のナンバーワン候補。

そしてこの日のもう一つのナンバーワン候補。相当遅れてできたので、よっぽど手間がかかるのでしょう。魚の内臓と、卵、豚挽肉、陳皮を使った、まるでキッシュのような一品。材料を聞くと???と思うけれども、レバーの風味がそれほど強くなく、ほどよく生かされていて、驚きの美味しさでした。
この写真をFBに出したら、香港人の友達から「おばあちゃんがよく作ってくれた、懐かしい!」など、飛び抜けて反応がありました。古い順徳料理なのだそう。

これまた、凄まじい手間暇のかかった料理らしく、デザートより後に出てきたので、食べていない人が多くて、思わずお持ち帰りさせてもらった一品です。

魚は、羅富記のフィッシュボールに使われていた綾魚の中を完全にくりぬいていて、実は魚肉と豚肉の練り物が入っているんです。

中身の写真、痛恨のぴんぼけなので小さく。ふわふわしてとても美味しかったです。しかしこれをキレイにくりぬくだけでも大変でしょうに!!

これはなぜかコースの途中で出てきた揚げミルクカスタードロール。デザートっぽいので、食事の途中に食べるのはぴんとこなかったものの、味はとってもよかったです。

そしてデザートも絶品!中でも印象的だったのが緑の、さとうきびゼリー♪ 公利のよりもさらに濃厚でした。

人数は相当いましたが、はい、ものすごい量でした! この日はまだメニューが始まったばかりだったため、キッチンスタッフがパニックっていたようでした。今は皆さん慣れたのではないでしょうか。こういう大変なことをわざわざチャレンジする心意気がいいですね。

このメニューは5月末まで。アラカルトもありますし、5/13と14は母の日セットメニューになるとか。きっと「わー懐かしいわ」という歓声があちこちでわくのではないかと思います。

ちなみに、ぜひ期間終了後もやって欲しいと聞いたところ、全部は手間がかかりすぎるので無理だけど、好評なメニュー何点かは継続するかもしれない、とのことです。

明らかに今よく出される料理とは違う、今聞くと不思議な組み合わせだけれども、しっかり美味しい料理達。堪能させていただきました!




 

 

 

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