珍しい巡り合わせで取材はしたことがないのですが、食事に行く機会が最近何度かあって、行く度に舌から伝わって心まで幸せな気分で満たされてしまうのが、この大班樓。歌賦街のすぐ下にある九如坊の奥なのでとても静かで、一軒家風の佇まいも香港では大変な贅沢!
ファインダイニングながら、ちょっと手抜きな感じのインテリアや佇まいの緩さが和みますw
この店の自慢は食材。スターシェフを前面に出したり、複雑な調理法に頼ったりしなくても、新鮮で質の良い食材さえ使えば美味しくなる、というのがこちらの信条。野菜は元朗の有機農園から、海産物はローカルマーケットから、鶏や豚肉も香港で育ったものを当日しめたものを使う他、上水に小さな自家農園もあるとか。湯葉は深水歩の老舗樹記から取り寄せ、醤油も香港産のこだわりのある老舗ブランドのものを厳選しています。
そんなポリシーがよく分かるのが、このチェリートマトの前菜。新鮮で甘みのあるトマトをバジルのリダクションとレモングラスに漬け込んだシンプルな料理ですが、目が覚めるような爽やかさが食べた途端に口から頭のてっぺんまで抜けるような気がして、病みつきになります。
こちらは名物の鳩のロースト。これも香港で今まで食べた中で一番好き。炭焼のいい香りとぷりんとした肉の旨みが口の中で混ざり合って、うーん、たまらない!
これは高菜漬けに似た梅菜というのをたっぷり芥蘭に載せたお料理。梅菜とそのソースが食欲をそそります! 梅菜好きな私には嬉しい一品。
そしてこの店のシグネチャーと言えばこれ! 花蟹の紹興酒漬け。
出汁の染みこんだソースには、鶏から抽出した油も入っていて、絶妙なコンビネーション♪ それをすっかり吸い込んだ腸粉がもう旨いのなんのって( ´艸`)私は上海蟹より、あっさり目の花蟹が実は好きなので、これだったらもういくらでも食べられます!!この日は2人だったので、小さめの蟹をお願いしてちょうど良かったですねー。
そしてこれまた定番のクコのアイスクリーム。クコ大好きな私には外せません。杏仁茶も有名なんですが、杏仁アレルギー(涙)になってしまった私は食べられないのだ。ちなみに写真を撮っていたら、ウェイターのおじさんがお花をわざわざ持って来て、「ここに置くといいよ♪」とアレンジしてくれました(笑)ちょっとお節介なところが香港のおじさんの可愛いところです。
とにかく余計なものを入れないシンプルな調理で、新鮮な食材の味がストレートに味覚に響いて、そのかわりに調理に使うソースには最大限気を配って調合していて、あっさりした味ながら、ポイントはびしっと押さえた感じで、すべてが清らかなんです。
これがもう私の好みにドンピシャで、あーまた食べに行きたい~!!
レシートを無くしてしまったのですが、前に4人で行った時は、上以外にあと3品ぐらい頼んで、1人600ドル位だったような記憶が。
人気店ですが、平日の夜は1週間前ぐらいの予約なら間に合うようです。