先日は昔ながらの広東料理を満喫しましたが、今回はロイヤル・ガーデンの東来順で、昔ながらの北京料理をいただく機会がありました。5月末までの限定メニュー「Old Beijing Menu」です。
以前にキャセイパシフィック航空の「香港スタイル」でじっくり取材をさせてもらい、そのときはこちらの代表料理である火鍋が中心でした。
これがもう、栄養バランスがとても良さそうな、見事な料理ばかり。カラフルで美しくて美味しくて、そして珍しくて、中国料理というのは本当に奥が深く、香港にいるからこそ、いろいろ楽しめて幸せだなあと、しみじみ。
この日はPRさんと地元メディアの記者さん二人と一緒の4人でテーブルを囲みました。
前菜の一つ、春筍と鳥筍。鳥筍って何でしょう。何かの茎っぽくて、ふきのとうのような爽やかな苦みと、さくっ、しゃりっとした食感が柔らかい筍と混ざり合って爽やかさ満点。季節の味を愛でる心を感じます。
こちらも前菜。紫ヤム芋と黒ニンニクのマリネ。まずはすべて天然という色彩の美しさに感動。そして黒ニンニクがとてもいいアクセントになっています。またしても食感と風味のバラエティ、旬の美味しさのハーモニーが最高。繊細に味わえます。
ケーキかと思うような華やかな前菜は、緑豆と桜エビ。すべて東来順が持つ古いレシピからの料理だそうで、緑豆を蒸してから潰して、カリカリに揚げた桜エビを加えて、仕上げたそうで、滑らかで濃厚な緑豆との組み合わせが抜群。
前菜の4品目はマンダリンフィッシュのフィレ。マンダリンフィッシュって、よく四川料理で食べるあれか、と思って、改めて調べてみたら、日本語ではニシキテグリというそうで、極彩色の熱帯魚なので驚きました。スズキ科ということで、柔らかい白身がとても美味しいですから、まさかあんなに派手だとは! ぜひグーグル検索してみてください。
魚のように並べられて、皿の端には野菜でストライプが入ったプレゼンテーションが可愛いです♪ シェフのこだわりがすみずみまで。
さあさあいよいよメインが始まりました。とろりとしたスープにプリプリ海老がたっぷり。
そしてこれは左側の揚げパンに絡めていただきます。面白い! カリっとしたものが、とろとろスープで少ししなっていくあの感じ。なんでこんなに惹かれるのでしょうか(笑)。
出た、ハリネズミ! 出た、松ぼっくり!・・・・・・ではもちろんありません、菊花魚、つまり魚を菊の花のように仕上げたという一品。中身はふわふわに仕上がっている、これもマンダリンフィッシュ、外側はカリカリに揚げられて、スイートサワーソース、つまり酢豚の甘酸っぱいソースが絡められています。たまりません♪
一個ずつ持ってもらうと、ますます松ぼっくりです。
こちらも再びマンダリンフィッシュ! とてもよく使われるお魚なんですね。四川の花椒、つまり日本で言うところのマーラーを中心にした、チリと合わせた、お馴染み感のある料理。見た目ほど辛くなくて、さまざまなチリの風味自体が楽しめるところが好きです。魚がふわっふわで見事でした。
これはエビチリ? と思いましたが、日本のエビチリよりトマトの風味がしっかり出ていました。本当にこちらのレストランでは、いつも海老がぷりぷりに仕上がっていることに感心します。ちょっとイタリアンなパスタを合わせても美味しいかも?
次は、美味しいもの揃いのこのランチの中でも、感動度がナンバーワンだったかもしれない一品。このチキンスープの美味しさが半端ではありませんでした。まろやかにこってりと鶏の出汁が出ていて、それが中に入った麺にじんわり染みこんでいて。相当たくさん鶏を使っているのではないかと思います。冷ましたらゼラチンで固まりそうな。胃の奥底から温まり、それが脳のすみずみから指先にまで達するというような。
そしてこれには、タケノコと緑の野菜が入った餃子が添えられ。浸して食べろっていうんですよ!(笑)反則な美味しさです。
幸せです (単細胞)。
ああ!なんと最初にアップしたとき、一点入れ忘れていました。なんということ!
素晴らしい美味しさの上湯に浸かった野菜たち。この空豆が最高でした。
デザートは好きなものをみんなで注文してシェア。私はいつもの楊枝金露をお願いしました。すっきり濃厚。
シェフの情熱と技がすみずみまで行き届いた、心温まる美味しさに満ちた料理を楽しませていただきました。決して目立つ存在ではないかもしれない、ロイヤルガーデンの東来順。でも本当に香港ではいろいろな店を試してみるべきだなーと改めて思わされる会食でした。
やっぱり香港は最高です(←香港に餌付けされている感が満載、笑)