新感覚テイクアウェイBeautifoodが湾仔に誕生

Bo Innovationのアルヴィンが仕掛け人

湾仔のShip Streetに入り口がある「Bo Innovation」と言えば、広東料理の枠に収まりきらない超個性派チャイニーズ。ミシュラン香港マカオの星付き常連として2012年には2つ星獲得。その他にもSt. Pellegrinoの世界のベスト100レストランランキングで52位に入るなど、欧米からの評価が非常に高いことでも知られており、ロンドンのメイフェアにもまもなく2店目がオープンします。昔イギリスにいた時の記憶を辿ると、どちらかというとロンドンの実験的な料理店が香港に来たという方がしっくりくる雰囲気ですから、成功するのではないでしょうか。

Ship Street側にある小さな店舗だがインパクトのある外観そのBo Innovationが、10月9日に新たなテイクアウェイフードのBeautifoodをオープンするというので、興味津々オープニングランチを訪問させていただきました! しかもオーナーシェフで「厨鬼(キッチンデビル)」との異名を保つアルヴィン・ランが今日は来るそう。3回ほど取材に来ていますが、新しい味を求めて世界中を飛び回る彼に会う機会は今までなかったので、それも楽しみ!
Beautifoodの場所は、Johnston RoadからShip Streetに曲がったライフデリの斜め向かいで、今まではワインショップだったりギフトショップだったり、あまり特徴のないテナントが何度か入れ替わってきた小さなスペース。テイクアウェイのカウンターの脇には4席ほどの小さなイートインスペースもあります。Bo Innovation本体の厨房のメンバーは、アルヴィンと似た雰囲気の、どこかハーレー乗りぽいというのか、黒いノースリーブで鋲ツキの皮ベストを着た、中華料理のシェフとはとても思えないマッチョな兄さんたちでしたが、こちらBeautifoodには、すっきりしたいわゆるイケメンなお兄さんたちが入っていました。ふむふむ。

いよいよテイスティング!

さて、今日のイベントはBo Innovationのテラスで開催。広報で爽やかテニス青年のディノさんに挨拶してからテーブルへ。試食ではBeautifoodのシグネチャーディッシュになる「スシ・ブリート」全種類とサラダをいただきました。

スシ・ブリートのテイスティング用盛り合わせ。左からいわゆる寿司には一番近いCantonese Steamed Fish(蒸し魚、グリーンオニオンライムソース、おろし生姜、にんじん、きゅうりなど入り)、サンドイッチ感覚のBLT(ベーコン、レタス、トマトなど)、クリーミーで洋食っぽいVegetarian Taco Trio(南瓜のクリームチーズ合え、ナスの味噌和え、ポルチーニマッシュルームなど)、本格的に辛いHot Sichuan Chick(チキン、にんじん、胡麻、チリ、四川風ソースなど)、がっつりとボリューム感のある3B(USアンガス牛、ピーマン、豆椒など)

アルヴィンの料理の特徴は、斬新で見た目では味が分からないようなプレゼンテーションと食材と調理法に、しっかりと香港ならではの味を巧みにミックスさせること。今回のメニューにもさまざまなアイデアがうかがわれています。

たとえばサラダドレッシングには老舗八珍の酢を使って独特の風味を出してみる。シグネチャーの「デーモン・ブラック・シーザー」サラダのガーリックドレッシングは、蟹味噌の強い風味が効いています。

スシ・ブリートーには、生姜とネギの香りが食欲をそそる広東風蒸し魚や四川風チキンなどをネタに、それぞれを生かすパンチのきいたソースを絡ませ、玄米や五穀米などで包み込んだ、寿司というよりはライス・サンドイッチとでも呼びたい組み合わせで、かなりしっかりとお腹がいっぱいになります。

フレッシュさを食べる直前まで保つように工夫された自慢の容器に入った「Umami Nicoise」サラダ。

テイクアウェイで食べやすく味を最大限に味わえるようにする工夫もされており、サラダは具やドレッシングを食べる直前にトスできるようなドーム型容器、スシ・ブリートーはスルスルと中身の出やすいラッピングと、これもすべてアルヴィンが考案したものだとか。

「以前から周辺のオフィスからケータリングの要望が大きかったんだ」と、各テーブルを回って話してくれるアルヴィン。悪魔とか鬼とか恐ろしげなあだ名とは違い、とてもにこやか(笑)。「フレッシュで、栄養があって、ヘルシーだけれども、味と利便性に妥協はしない」ことをモットーに、一口

ずつにある驚きはBo Innovationから受け継いだ上で、すべて50ドルというテイクアウェイならではの手頃価格を実現しなくてはならないため、相当頭をひねった上でのメニュー作りだったそうです。

ブリートーの食べ方を説明するアルヴィン。

私がいただいたのは、スシ・ブリート各種と、プリプリの海老やチェリートマトなどのサラダに香港らしいシュリンプパウダーが効いたアルヴィン特製「うまみ」ドレッシングが面白い「うまみニース風」(Umami Nicoise)。この「うまみ」は、日本由来の味覚で、昆布のグルタミン酸やかつおぶしのイノシン酸などが呈する味として、国際的に使用されている基本味。これがドレッシングの中でしっかりと存在感を発揮して、うまくニース風サラダらしい中にもどこか今まで食べたことのない意外性を生み出していました。

アルヴィンの強い個性の一端を楽しめる健康的な食事を50ドルから気軽に体験できます(Bo Innovationであればランチ250ドル位~、ディナーは1000ドル位~)から、ぜひ試してみて下さい!

Information
Beautifood
Shop3, G/F, J Senses, 60 Johnston Road (入り口はShip Streetにあり)
Delivery: 2860 0012
www.beautifood.com.hk

お酒の肴にも良さそうなブラックシーザーサラダ。

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